番外編 紅い毒薔薇 6 ページ8
ズバッ────
肉を割かれる音。
地面に血が飛び散る。
だが、斬られたのは、
A「 え、────」
五人の刺客たち。
そして、斬ったのは…
A「あ、んた…誰…」
Aを護るように、背を向けて。
顔は見えない。
だが、背格好は子供────Aと変わらない位の歳の、男の子に見える。
そしてその子は、動けないAを支え。
血と屍だけが残る、屋敷を出た。
・──── ・──・ ────・
屋敷から少し離れた所にある、奇妙に曲がった松の木。二人は、そこにいた。
幾らかの時間が経ち、Aの痺れ薬も抜けた。
Aを救った子も、今やAの方を向いて、じっと見つめていた。
しかし、Aの中の「何か」が邪魔して。
ただ、松の木にもたれ掛かって、うつむき加減に座り込むだけだった。
A「ねえ。刀、貸してくれる」
Aが呟くように言う。
「何に使うんだ」
言いながらも差し出された刀を、Aは受け取り、握る。
そして────刃を左腕に向け、刺す。
「…おいっ!」
更に何度も刺そうとするAから、刀を奪う。
右手の爪で傷を掻き毟り、傷を広げるAに、とうとうその子は両手を抑える。
「何考えてんだ…!」
顔を覗き込むも、Aは頑なに顔を背ける。
そして、気が付く。
Aは歯を食いしばり、涙を流していた。
A「離して…離して!」
金切り声を上げる。
手の拘束から逃れようと、一心不乱に抗う。
A「悔しい… 悔しいの」
嗚咽を漏らしながら、誰にともなく言う。
A「平和ボケして!昔の憎しみも、悲しみも、全部忘れてた私が!」
「いいじゃねーか…忘れたって」
何気ない一言に、Aは何故か黙る。
「何もかも忘れずにいたら…押し潰されちまうから」
それだけ言って、その子は…Aを置いて。
離れていった。
しかし、あの声…昼間に自分を励ましてくれた、声。
Aは気がついていた。
番外編 紅い毒薔薇 終
ラッキーアイテム
真選組の制服
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
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みほぽん(プロフ) - ミリアさん» こんなに速く反応して頂けるとすごく嬉しいです!リクエストもありがとうございます!あまり期待せずに待っててくださいw筆が遅いので…w (2017年8月21日 17時) (レス) id: 252dd44bdf (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - すごく気に入った作品で続きが楽しみですもし今後他の作品を作る予定なら銀魂の銀時か高杉か神威の姉か妹がアニメKリボーンかワールドトリガーの世界にトリップか転生かコラボした作品が読んでみたいです説明が下手ならすみませんこれからも更新頑張って下さいね (2017年8月21日 17時) (レス) id: e3c7f73b1f (このIDを非表示/違反報告)
みほぽん(プロフ) - パトリオット工場長兼学長。さん» ありがとうございます!!作者登録までして下さって…嬉Cです! (2016年3月21日 19時) (レス) id: 252dd44bdf (このIDを非表示/違反報告)
パトリオット工場長兼学長。(プロフ) - 読みました!面白い!かっこいい!これからも頑張ってください!! (2016年3月21日 19時) (レス) id: aaaf349175 (このIDを非表示/違反報告)
みほぽん(プロフ) - 織李さん» ありがとうございます!もっともっと面白くなるように、頑張ります! (2016年3月3日 19時) (レス) id: 252dd44bdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みほぽん | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mihoponn461/
作成日時:2016年1月4日 22時