夢で逢えたら。2 (ページ24)

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74話Ｄページ24

彼女は…
何も答えなかった…。

一緒に居たいと
伝えた俺の言葉に、口を閉ざしたまま…。

…彼氏の事、気にしてるの？

いっそ、このまま
力尽くで俺のものにしちゃおうか…。

初めから分かってた事なのに
不安で…怖くて…

そんな、自分勝手な欲望が
フツフツと沸きあがってくる。

「…ごめん、送るよ…。」

…スピードを上げて走る車の
助手席に、彼女を乗せた。

行きと同じ様に
俺達は喋らなかった…

…こんなモノなんだろうか？

俺達の関係は…

…もう、既に…脆く崩れそう。

Ｙ「あっ、このアパートなの。」

Ｄ「…うん、分かった。」

アパートの前に車を停めると
俺は部屋の前まで、彼女を送った…

Ｙ「送ってくれて、ありがとうね…
おやすみ…気を付けて帰って…。」

Ｄ「……。」

…俺は…まるで、拗ねた子供みたいだ…。

彼女が無理に笑顔を作って
見送ってくれてるのが分かるけど

それに、応える気になれなくて…

不機嫌に俯くと

「じゃあ…。」っとだけ呟いて

足早に彼女の前から立ち去った。

彼女の部屋の扉が、ゆっくりと閉まる…

『バタンッ』

その音は…

やっと、繋がった筈の

俺達の運命の糸を
断ち切ってしまう様に…重く響いた。