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75話Y ページ25

彼は何を…怒ってるの…?



結局、私は…



『一緒にいたい…。』



そう、言ってくれた彼の言葉に



応える事が出来ないまま、黙り込んでしまった。



『何を怒ってるの…?』



そんなの、答えは簡単だ…
彼の気持ちに応えれなかった私に怒ってるんだ。



彼の事が、好きで、好きで…
もがく様に、苦しんでた筈なのに



いざ、現実の彼を目の前にして
怖気付いてしまった…


そんな情け無い私に


あの人は、腹を立ててるんだ…。



冷たくて静かな玄関から
私はまだ、動き出す事も出来ない。




「…こんなにも、好きなのに…。」




思わず、口からこぼれ落ちた言葉と一緒に



大粒の涙が
ポロポロ…ポロポロと、止まらない。




…こんなの、嫌だよ……。




このまま、終わってしまうかもしれないの?




……彼と居る事で
平凡な人生が、変わるのが怖い?




はっ…ははは…




もう、とっくに変わってたじゃない…


あの日…


時間も、空間も捻じ曲げて
私達…2人が出会った瞬間から。





追いかけなきゃ…




彼を追いかけなきゃっ‼









そう、思った瞬間…





勢い良く…玄関の扉が開いて…




いつだって
一瞬で、私の胸を熱くしてしまう



彼のあの匂いに…



ギュッて、私の身体は包まれてた。

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作者名:うずら | 作成日時:2017年4月26日 14時

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