好きなんだよ、バカ3（hiromitsu OR yuta）

124 ページ24

2階の真ん中の部屋。


「お邪魔しまーす」



裕太が開けてくれたドアから入ると、


ふわっと裕太の匂い



「懐かしい匂い」


玉「どんな匂いだよ」




「裕太の匂い」



正確には裕太んちの匂い、かな。


玉「適当に、して？」



「はーい」



ワンルームなのに、キッチンは対面で、
バストイレ別だし、
収納多いし日当たりもめっちゃ良い。


ベランダから見る景色は、住宅街だけあって、道路挟んでお向かいの戸建てのお宅なんだけど、
全然いい！！

「日当たり良すぎて気持ちいね」



玉「天気いいとめっちゃ眠くなるんだよねー」


って、二人で並んでベランダの向こうの外を眺めてた。




「初めて来たのに、なんか落ち着く」



玉「ベランダ結構気に入ってんだよね」


「ボーッとしてるんだ？」



玉「よくしてる。

でも、あんま外にいると隣の声とか聞こえてくるからさ」



「ワンルームだから窓開いてたら近いもんね」



玉「夜とか喘ぎ声とか聞こえてくるし」


「は？…気持ち悪」


玉「多分左隣からなんだけど、
女の人なんだけどめっちゃ巨漢」



「……なんてリアクションすればいいわけ？」


玉「しかもすげーから」



「何がよ」



玉「しょっちゅうなんだって。

Aがいる間に多分聞けるよ」




「聞きたくない」



玉「嫌でも聞こえるんだって」







「そろそろ、いこ？」




部屋を出て並んで歩く。






「子供の時みたいに迷子にならないでよ」


玉「もう、保護はないわ。
最悪携帯でナビすればいいし」




駅とは真逆に歩いていく。

住宅地で、すぐに、小さな鋳物工場みたいなのが何個かあって、
工場の近くには、あまり使われてない、ブランコと鉄棒しかない公園。



草も結構生い茂っているし、
工場の方がベンチでお昼寝してる



「……」



玉「こっちは何にもないね」



グルーっと最寄駅の方向に向かうと、

大きな公園があって、
祝日なのもあって、凄く親子連れで賑わってた





「楽しそうだね〜」



玉「滑り台やりたいんでしょ？」



「ちょっとね」



ローラーついてる滑り台がある公園なんてそうないじゃん？



時間はお昼も過ぎてて、
途中見つけたラーメン屋さんでお昼済ませた。






駅前の商店街で、魅力的なお惣菜買って、
お家ご飯。




買って来たものをお皿に移して、簡単に味噌汁作ってると


玉「A〜」




ゆるーい声で呼ばれた


「何ー？」



玉「今日さ、銭湯行かない？」



「銭湯？」

125→←123

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す