元カレ9（yuta.t）

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「お客さんじゃないから、
そんな片付けなくて大丈夫だよ」



高「お客さんすよ」



「窓開けてたら勝手に入ってきちゃったハエくらいに思っといて」



高「それ、外に追い出すやつ」



「ハハハっ、そっか」



高「いや、この部屋に来るお客さん第一号だから」




「本当に？」



高「親すらも来てないよ」




「第一号が私なんかでよかったの？」





高「全然良いに決まってるじゃないっすか」






テキパキと部屋を片付けて、
その間私はというと、買ってきたものを袋から出して、


「ビール冷蔵庫入れてもいい？」



高「あ、そうっすよね。
お願いしていいっすか？」




「勝手に開けまーす」



って冷蔵庫をあければ



「すごい」




自炊した形跡




高「え？」




「私なんかお弁当とか買ってきたお惣菜とビールとか…

そんなのばっかり」




高「以外と楽しいっすよ、料理」




「片付けまでする体力残ってないもん」



高「あー、お腹いっぱいになると動きたくないっすよね」




「そうそう。」






片付け終わってテキパキ具材を切ってくれて、


私は隣にいたけど邪魔そうだからカウンター越しに見守ってる、っていうか、
見てるだけ。





「ねぇ」



高「ん？」




「…喉乾いた」



高「あっ、そうっすよね。
気が利かなくて」



「乾杯しよ！」




待ちきれなくて、催促して


カウンター越しに




「「かんぱーい」」






ってぐびぐびっと





「はぁぁ、んまい」



高「飲み方画になる」




「CMっぽいって言われたことはある」




高「見てて気持ちいい」





「最近毎日飲んでるかも」




高「そうなの？」




「疲れて帰ってくると、飲みたくなる」




高「でも分かる。」




「そして、すぐ眠くなる」





高「眠くなったら送るからすぐ言って」





「すぐだから一人で帰れるけどね」






作ってくれた鍋がテーブルの上でグツグツ煮えたぎってる




「もうそろそろ？」





高「そろそろいいかも」







鍋の蓋をあければ



「やばーい、おいしそー」



高「よそっていい？」



「え？やってくれるの？」





高「お客様だからね」





器に入れてくれて




「ありがと」





はぁ、ホントヨダレ半端ない。





「いただきますしよっか？」





手を合わせて

「「いただきます」」







高「ふふっ」




「ん？なに？」




高「いや、かわいいな、って思って」




「食べるときは当たり前でしょ」

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