元カレ8（yuta.t）

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「ここ？」



玉「そう」



「すごい高級マンションに住んでるね」





玉「こんな立派じゃなくても良いんだけどさ
事務所がセキュリティにうるさいから。

部屋は普通に狭いからがっかりするかも」






っていうけど、20代前半が都会のタワーマンション。
低層階とはいえ、普通に無理でしょ




玉「はい、どうぞ」





ドアが開くと
ふわっと懐かしい匂いがする




「……」



玉「どうした？」





急に罪悪感に苛まれて足が動かなくなった





玉「A？」





「…ごめん、やっぱり私。」






蒼がいるのに、男の人の家に一人で来るなんて…








腕をグッと引っ張られて玄関のドアが重みでしまったと同時に



玉「ごめん、帰したくない」






って重なった唇




「や、めて」






裕ちゃんの肩を押して身体を離したけど、裕ちゃんの顔が見れない





玉「…ごめん」





…私こそ、もっと早く気づけばよかった
なんでついてきちゃったんだろう






「帰る…」






腕を掴まれて


玉「本当に？」




「…うん。帰る」




玉「……」







「…ごめん、
今日の事は私が全部悪いから」





タクシーのおじさんにも忠告されてたのに。
どうしてそこで気づかなかったんだろう。









送るって言ってくれたけど、
すぐにタクシー拾って、一人で帰ってきた。






普通に考えて元彼の家にノコノコついてくなんて
おかしいのに。





合格祝いの2日後、
私は涼太くんに呼び出された。



しかも、
横浜の、デートスポットだよね？って所に。



なんとなく察知した。




涼「今日暖かいね」




「そうだね〜
日中こんなに暖かいと着る服迷うよね」



なんていつも通り世間話してる感じなんだけど、
明らかに様子がおかしな涼太くん





気づいてるけど、気づかないふりしてしまう



涼「ねぇ、」




「ん？」




涼「…ちゃんと話したいから、こっち向いて」




「はい」




涼「もう俺の気持ち知ってると思うけど、
改めて言うから、聞いてくれる？」





「分かった」




涼「俺はAちゃんが兄ちゃんの彼女の時からずっと好きだった。

Aちゃんがいたから勉強も頑張れてこれたし、
褒めてもらいたくて、俺なりに頑張ってきた」



「うん」



涼「高校も卒業したし、
一緒にお酒飲めるの後2年先だけど、

俺はずっとAちゃんの事が好きです…



俺の彼女になってください」







涼太くんの本気の告白に、涙が溢れた

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