元カレ7（yuta.t）

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「実家はいつ出たの？」



蒼「俺ね、実家秋田なんだよね。
こっちの大学行ってたから、
その時に上京してきてんの。

で、そのままこっちで働いてる」





「だから自炊もできるんだね」



蒼「実家農家で米作っててさ
田植えとか稲刈りの時期ってみんな忙しくて

子供の頃から見よう見まねで姉ちゃんと勝手に作ったりしてたから」



「お姉ちゃん居るんだ」



蒼「姉は一つ上
結婚して、ずっ地元に住んでて、
もう直ぐ子供生まれんだよね」



「へーそうなんだね」




蒼「Aちゃん兄弟は？」




「お兄ちゃんが1人。
三つ上だから蒼と同じだよ」




蒼「マジ？」



「でも全然、
蒼の方が大人」





蒼「そんなことないでしょ」



「うちの兄はほんといつまでも中2みたいだもん」



蒼「それは妹に見せる顔じゃない？
うちも未だに姉貴には結構パシられるからね」







ポン酢のお代わりも、
締めのうどんも


全部やって貰っちゃった




「洗い物するね」



蒼「食洗機あるからそれでやっちゃお」




「一人暮らしで食洗機あるの？」



蒼「マジ便利だよね〜」





って結局ぜーんぶ蒼がやってくれた。








高層階から見える都内の景色は本当に綺麗で、
隣には優しい彼氏がいて。




このままここにお泊まりなんだろうな、と思ってたら



蒼「もうこんな時間だ」


「えっ？」



蒼「送るね」



「ありがと、」







コート羽織って帰る支度をし始める姿にちょっとがっかりしてる。




「お邪魔しました。
ご馳走にもなって、ありがとうございました」




玄関で靴を履きながらお礼を言えば




蒼「あぁ、マジ帰したくねぇ」



「え？」




蒼「本当は俺だって帰したくないんだからね？
でも、親御さんにご挨拶もしてないし、
Aはまだ学生だし、


俺なりのけじめだから」





「うん」




蒼「だからそんな顔すんなって」




え、私顔に出てた？







頭に乗せられた手は私の手を捕まえにきて
エレベーターに乗り込んだ



鏡を向いて、背後からハグされて







「人に見られちゃうよ」




蒼「ん？」




「カメラもある」





蒼「どこに？」




知ってるくせに。






「そういえば蒼は飲んでないの？」




蒼「飲んだら車で送れないじゃん。
おれはノンアル」



「気付かなかった」





蒼「ね、旅行行きたい所探しといて」






「どこでもいいの？」






蒼「もちろん。
Aが行きたいところ行こう」

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