転生先は残酷でとても美しい世界だった２【進撃の巨人】 (ページ8)

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案内を終えて、夜。

屋上に人影が見えたから、登ってみればリヴァイ達3人衆。

…盗み聞きは少し罪悪感があるけれど。

扉の裏に隠れ、彼等の会話を聞く。

…ニコニコしているイザベルが持ってるアレ、お酒よね…？どこから出したのアレ……後で食糧庫の確認に行こう…

イザベル「星ってぐるぐる回ってるってあれホントか？」

ファーラン「そうらしいぜ。」

イザベル「兄貴がもともといた所とどっちの方が綺麗なんだ？」

リヴァイ「…さあな…。」

…リヴァイが元々いた所？…どこかしら。

にしてもイザベルは好奇心旺盛ね。地下育ちだというのにあそこまで溌剌な性格に育つのも中々珍しいわ。

リヴァイ「こんな風に見上げるのは随分久しぶりだ。」

…地下は、空を見上げることができない。

この美しい空を、太陽を、星を、月を、眺めることが叶わない。

私は地下で生まれたわけでも育ったわけでもないから、彼等の気持ちを知ることはできない。

今の彼等の想いは、彼等だけの特権だ。

やっぱり、盗み聞きは心が痛むわ。

これ以上彼等の話を聞くのは…野暮ね。

私は音を立てず、こっそり自室へ戻った。

…そのせいで、大事な情報を聞き逃してしまうことも知らずに。

…食糧庫のお酒は、見事に3本、彼等の人数分無くなっていた。