転生先は残酷でとても美しい世界だった【進撃の巨人】 (ページ8)

今日:20 hit、昨日:129 hit、合計:22,194 hit

8. ページ8

A｢まぁもう少し…考えるよ。兵士になるのかならないのか…兵士になるとしたら、どこの兵団に入るのか。｣

祖母｢そうだね、今決める必要は無い…ゆっくり考えな。さぁ、そろそろ家に戻ろう…母さんと父さんが心配しちまうよ。｣

A｢うん！｣

そしておばあちゃんと家に向かった後、私は違和感を感じた。

A｢…おばあちゃん、どうして家から…変な…鉄のような臭いがするの…？｣

いつも通りの家のはずなのに…全く違う場所のように見える。

母さんと父さんは…無事なの…？

祖母｢……A、あんたは向こうの木の裏に隠れて待ってな。私が確認してくるから。｣

A｢ま、まって！おばあちゃん…｣

祖母｢ほら、行きな！呼吸以外するんじゃないよ。｣

そう言われ、家から少し離れた場所にある大きな木の裏に追いやられた。おばあちゃんは…1人で家に入ろうとしている。

待ってよ…こんなに鉄の……血の、臭いがしているのに…！
怖い。恐い。こわい。何が起こっているの？どうなるの？分からない。こわい…！

私は手で口を抑え、しゃがみこみ身体を縮こませていた。指先が震える。

いやだ。失いたくない。私の家族。愛してくれている、愛している、私の大切な人達。

でも、…身体は、動かない。おばあちゃんの言う通り、呼吸以外できない。

祖母｢A！！立って、私の傍に来なさい！｣

A｢！！｣

おばあちゃんが戻ってきた。酷く焦っている。

A｢おばあちゃん…母さんと、父さんは…？｣

祖母｢…｣

おばあちゃんは、答えてはくれなかった。

しかしそれが、私にとっては答えだった。