48. ページ49
ハンジはまだしばらく医務室で様子を見なければならないらしく、私は1人で部屋に戻った。
「話しても良かったんだよ？」
A「うわぁ？！」
誰もいないはずの部屋で、唐突に横から声をかけられた驚きに思わず声が漏れる。
レオ「え、そんな驚く？ごめんね。」
A「レオ…いや、気を抜いてただけよ…こちらこそごめんなさい。」
よいしょ、と小さく呟きながらレオは私のベッドへ腰掛ける。私は自分の椅子に座り、向きを変え向かい合う。
レオ「いやー流石に天候を操ったのは疲れたや。ここに来るのにも結構時間かかっちゃった。」
壁外調査から今の今まで、影も形も見えなかったレオ。
…無理させてしまったかしら。
A「レオ…改めて本当に、助けてくれてありがとう。」
レオは少しきょとん、とした後、
レオ「どういたしまして！」
と爽やかに言った。
A「それにしても話しても良かったって、…貴方のことを？」
レオ「うん。誰彼構わず話すのはアレだけど、ハンジ・ゾエくらいならいいと思うよ〜？」
…対面もしたことないのに、随分信頼してること。
A「私も話そうかと悩んだわ…まぁ、時期を見て、ね？」
レオ「…ま、Aが決めたことだし文句は無いけどさ！ていうかAさっきちょっと口の悪さ戻ってたよ。」
A「嘘でしょ…？」
レオ「いやいや、本題はそれじゃないや。A、推理力落ちたね？」
A「…。」
図星を突かれて、思わず顔を逸らしてしまう。
自分でも自覚してるのよね…。
レオ「Aは今回の犯人を、ハンジ・ゾエに恨みを持っている人物だと仮定していた。けれど捜査を進めると、ハンジ・ゾエではなくAだった、…と。」
A「…決めつけが過ぎたわね…反省してるわ。」
軽く頭をかかえながら、そう呟く。
レオ「エルヴィン・スミスに説明した筋書きは大体合っていたから良いものの、そこすら間違えていたらどう見られていたか…。」
呆れたようにレオがそう言う。
その通り過ぎて何も言い返せない…。
レオ「視界は広く、ね。」
A「えぇ……忠告ありがとう。」
レオ「この先、今回よりももっと酷いことが立て続けに起こる…それは、Aも知ってるよね。」
…原作の…様々な事件ね。
レオ「…どうか、気を抜かないで。…どうか、死なないでね。」
レオはそう言ったあと、すぐに消えてしまった。
A「…ありがとう、レオ。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 105人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みれい | 作成日時：2023年9月8日 0時
