転生先は残酷でとても美しい世界だった【進撃の巨人】 (ページ47)

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A「………。」

ハンジ「…ごめん。」

目を逸らし、ただ謝るハンジに少し苛立つ。
あんたの謝罪なんて、私は望んでいない。

A「…それは一体何の謝罪？」

ハンジ「いや、…」

A「…理由の無い謝罪なんて要らないわ。……今更、分かってるのよ…貴方が…あんたが、そういう奴だってことは。」

A「昔と一緒。また頼んでもいないのに…私を庇おうと、守ろうとしたんでしょ。」

ハンジ「…。」

チラリとこちらを見て、曖昧に微笑むハンジ。

少し、言葉に悩んでしまう。前世から数えても、こんな経験は無いのだ。

それでも、私の思いが伝わるように、言葉を選ぶ。

…また、同じことが起きないように。

A「…私だって、自衛くらいはできる。これでも首席よ。…他人からの悪意も、正直どうでもいい。

だから、…お願いだから、私のことを守らないで。」

ハンジ「…守りたい、って思うことは駄目なの？大切な友人を侮辱されて怒ることは、駄目なの？」

…ナナバの言っていたことの意味、今ならちゃんと分かる。
あのときあんなに怒っていたのは、こういうことだったのね。

…少し、言葉を借りるわよ。

A「そういう意味じゃない。

…貴方が私を大切に想ってくれていることなんて、知ってる。すごく、嬉しい。ほんとよ。

そして、…私も、あんたが大切なの。…だって、初めての友人なんだもの。」

…やっぱり素直に言葉を紡ぐのは苦手だわ。
最後、微笑むつもりだったのに…照れて、変な顔になった気がする……。

…いや、目の前にいるこいつがもっと変な顔してるからいいか。

A「…私も、今回は間違えたわ。ナナバに言われて気づいた。あんたを助けようと、1人で突っ走った。あんたも、間違えた。私のためと思って、1人で突っ走った。」

ハンジ「…なぁに、それ。てことは、お互い様じゃないか。」

A「えぇ、そうよ…お互い様。今後、もう間違えないようにしましょう。」

ハンジ「…ごめん、私、あなたの気持ち、一切考えてなかったね。」

私達は泣きそうな顔で、でもとても満たされた顔で、目を合わせ、微笑んだ。