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奇行種がこちらに手を伸ばした瞬間、私はそいつの膝にアンカーを刺し、立体機動で一気に近づいた。
そのまま足の肉を削ぎ、上に登り腹を削ぎ、次は手首にアンカーを指し腕の肉を削ぐ。
動きを封じたところで、こいつの首裏の部分まで最速で飛び、項を削ぎとった。
…今までで1番早く動けた気がする。
奇行種が倒れ、私も地面に降りた。
返り血を拭い、少しハンジの方を見て被害がいっていないか確認した後、こちらに向かってくる何体かの巨人を見上げる。
3…いや、4体ね。
今の私なら…きっと余裕だわ。
何故か、次から次へと力が湧いてくる。
自分がどう動けばいいのか、身体をどう動かせばいいのか、本能が理解してくれている感じ。
これは一体…
…今は関係ないわね。
今はただ…あのデカブツ共の項を、削ぐだけ。
A「…っぁぁあぁあ！！！」
独りで戦うことは、初めてだ。
仲間がいない恐怖感……なんてものは、私には無かった。
私は私が強いことを知っている。ならば…ただひたすらに、こいつらを駆逐することしか考えない。
A「っはぁ…はぁ…」
ようやく最後の1体も項を削ぎ終わり、私は地面に膝を着いた。
…流石に疲れるわ。
A「はぁ……ハンジ…」
ハンジの元へ戻る。
…うん。さっきより怪我が増えてる、なんてことは無かった。
A「さぁハンジ…帰るわよ…帰る前にくたばったら殺すからね…」
ハンジを馬に乗せ、私も座り、馬を走らせる。
馬を一撫でし、
A「怖がらせてごめんね…よく耐えたね。私達を待っていてくれてありがとう。」
と伝えると、馬は小さく鼻を鳴らした。
…それにしても、さっきの力は……
…あ、
【レオ「君が死なないように、君にはアッカーマンに近い強さを持たせてる。」】
アッカーマン、の…！！！
なるほど、そういうことか。
さっきの私の状態はアッカーマンの覚醒状態に近いものだった……ってことね…
ミカサやリヴァイ兵長は、あんな力を使いこなしていたのね…
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作者名：みれい | 作成日時：2023年9月8日 0時
