転生先は残酷でとても美しい世界だった【進撃の巨人】 (ページ41)

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A「まって…まってよ。…嘘でしょ…？」

自分の口から出る声が、酷く震えている。

馬から降りて、そのゴーグルの近くまで歩く。
…見間違えじゃない。ハンジのゴーグルだ…

辺りを見渡す。

近くに、うつ伏せになっている調査兵がいる。
…ハンジと、髪型が一緒。

ゆっくり、その調査兵に近づく。

A「…あぁ……」

そこに転がっていたのは…ハンジだった。

馬が勝手に逃げないよう、留めておく。

ハンジを抱き寄せ、呼吸、心拍、怪我の有無の確認をする。
…一応息はある…けど、心拍が弱い…

怪我は…頭からの出血と…足も折れてるわね。

でもこれならまだギリギリ命に別状は…

…立体機動装置が、壊れている。

この壊れ方は巨人にやられたものではない。そして自然になったものでもない。
…第一に、ハンジは普段から丁寧に立体機動装置の手入れをしているからそんなことは起こりえない。

…つまり……ハンジの立体機動装置を、"わざと"故障させた者がいる。

レオの力が無くなったのか、雨が止む。

霧が晴れる。

周りに転がっている調査兵達の数は、私が思っているよりも多かった。

雨が止んだのに、私の視界は暗いままだった。

馬の鳴き声が騒がしい。

何やら、上から強い風が吹いている。

私とハンジの髪が靡く。

ゆっくり顔をあげると、

そこには巨人がいた。

しゃがみ込んで、気味が悪い顔で私達を見つめている。

…奇行種…ね。この辺りの兵士がほとんどやられている原因はこいつか…

…いいや、こいつだけじゃない。
何匹か、巨人が更に近づいてきている。足音がする。

私は、ハンジを静かに地面に寝かせた。

立ち上がり、目の前にいる奇行種と見つめ合う。

動いたのは、同時だった。