転生先は残酷でとても美しい世界だった【進撃の巨人】 (ページ40)

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A「ピンチ、って…今ハンジは何処にいるの？！」

レオ「西の方角にいる！！！Aどうするの？！僕は君に従うから！！

死なせたくないんでしょ！！？」

…っ、そんなの……当たり前じゃない…！！！
西…エルヴィンの目がある限り、恐らく班から離れることは厳しい。

…

A「…レオ、貴方天候を操ったりできるの？」

レオ「…？！…できないことは、ない。」

A「今すぐ振らして。大雨を頼むわ。」

レオの目を見て、そう頼む。…悪天候での壁外調査の危険さは理解している。晴れや曇りより死人が増えることは分かってる。

…それでも、これしかない。
厳しく感じるかもしれないけれど……正直なところ、私は私が愛する人間しか大事にしたくないのよ。
…勿論救える命があるなら救うけどさ。

レオ「…分かった。天候を操るのは力がいるんだ。降り始めたら恐らく僕はここに居られない。…それでも大丈夫？」

A「大丈夫。」

レオ「了解。」

レオがそう言った瞬間、雨が降り出した。

他の調査兵達が慌て出す。

レオ「くっ…A！死んだら駄目だよ？！」

そう言い残し、レオは消えていった。…あの子って本当に存在が謎よね…いいえ、今はそんなことどうでもいいのよ。

西…ね。

雨の勢いが増し、霧すらも出てきた頃、私はそっと班員達から離れた。

そのまま馬を全速力で走らせ、視界が悪いなか西…だと思う方向に向かう。…エルヴィン班から離れるために一か八か降らせたけれど…私は西に向かっているのかしら……

暫く馬を走らせると、調査兵団の死体が多く転がっている場所に出てきた。
…惨いわね……この中にハンジ混じってないよね…？

スピードを緩め、注意深く周りを見ながら馬を進ませる。

すぅ、と大きく息を吸い、

A「ハンジーーーっ！！」

と呼びかける。…巨人も引き寄せてしまうから余り大声は出したくなかったんだけど…この霧の中はしょうがないわ…

…反応は無い。

A「っ……ハンジーーーーー！！！！この声が聞こえたら返事しなさい！！！！」

……反応は無い…

あぁもうどこ…！！？

A「ちょっと…真逆本当にこの中に混ざって地面に転がってるんじゃ、………」

身に覚えのあるものが、視界の端に見えた。

茶色い紐と…灰色の、ゴーグル。
…ハンジは普段は眼鏡だけれど、身体を動かす時は…あのゴーグルを着けている。