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A「ハンジ。」
ハンジ「なぁに。」
A「…お願い、が……あるんだけど。」
ハンジ「！…なんでも聞くよ。あなたのお願い程珍しいものは無いからね笑」
A「…ありがと。…次の壁外調査では……
……私の言うことを、第一優先にして欲しいの。」
ハンジ「……団長や班長の命令よりも？」
A「…えぇ。」
とんでもなく無茶なことを言っている自覚はある。
もう私達は新兵だなんだと舐められるほどでは無いけれど…言うほど経験を積んだわけでもない。
…それなのに上官の命令よりも、ただの同期の言うことを聞けと言っている。
普通は有り得ない。
上官に告発されて処分を受けても文句は言えない。
…でも私は……ハンジを死なせたくは無い。
エルヴィンはまだしも…他の上官らは、信頼できない。
下を向いていた私は、ゆっくり顔を上げハンジを見る。
ハンジは、こちらを真っ直ぐと見つめている。
A「…流石に無理かしら。」
ハンジは微笑みながら言う。
ハンジ「なんでも聞くって言ったでしょ。」
その言葉を聞いた瞬間、私は座っているその体勢のまま、後ろに倒れる。
ハンジ「A？！ちょっと、大丈夫？」
A「ハンジ、ありがとう。」
ハンジ「！…どういたしまして。」
これで私は、たった今ハンジの命を、心臓を握った状態になったということだ。
…死ぬときは心中かな……
A「ハンジ…大変。」
ハンジ「何、次はどうしたのさ。」
A「私、思ったより貴方のこと好きみたい。」
ハンジ「…。」
ハンジは目をかっぴらいて私を見ている。
…ちょっと怖いわよ貴方その顔。
せめて口角上げて……その顔の方が怖いわね、いつもの顔に戻りなさいよ。
A「…ハンジ？」
名前を呼んでもハンジは動かない。
…生きてる？
軽く腕を揺すってもハンジは動かない。
A「ねぇちょっと…ハンジ？？」
起き上がって何度かハンジの頬をぺちぺちと叩く。……ハンジは動かない。
ガチャ
ナナバ「お、2人ともいる。食堂で夕飯食べよ〜………何してんの？」
A「ナナバ！！ハンジが！！！死んだ！！！！！」
胸ぐらを掴んでどれだけ揺すってもハンジは動かない。
顔はずっと真顔で目をかっぴらいている。怖い。
ナナバ「…いやほんとに何してんの？？」
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作者名：みれい | 作成日時：2023年9月8日 0時
