転生先は残酷でとても美しい世界だった【進撃の巨人】 (ページ24)

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「なっ何であんたがここに…！！」

分隊長のエルヴィン・スミス…

助けてくれたのはありがたいけど…
ただの親切か、それとも何か考えがあってのことか…

エルヴィン「偶然近くを通りかかってね。そしたら何やら揉めている声が聞こえたから気になって来てしまったよ。」

……。
どっちとも取れないわね…この言い方…

「揉めてるなんてそんなこと…！ただ話してただけです！なぁ？！」

助けを求めるようにこちらを見る男。
…ただ話してただけ、ねぇ？

エルヴィン「そうだったのか？」

…あまり大事にするのは嫌いだけども。

A「…揉めているとは少し違うかもしれませんが…彼は何度も断っているのにも関わらず、しつこくディナーに誘ってきたんです。」

「ってめぇ…！！」

キッときつく睨まれる。
……先に嫌なことしてきたのはそっちよ。

エルヴィン「なるほど。女性に必要以上に迫るとは…情けないというか、何と言うか…」

エルヴィン分隊長は呆れたように男を見下ろす。

…この人この顔だと女に困ったことなんて無さそうね。
逆に自分が何もしなくても相手が寄ってくるタイプだわ。…私と一緒。

エルヴィン「調査兵団の風紀を乱すな。今後必要事項の連絡以外で彼女に近づかないように。」

「それはねぇよ！エルヴィン分隊長、あんただって良い女とディナーに行きたいとかは思うだろ？！」

エルヴィン「…確かに彼女は良い女だね。しかしそれとこれとは話が別だ。いくら相手が新兵とは言えども、他者に迷惑をかける者が上官たりうるとは思えないな。」

…この人に良い女と言われるとは。ちょっとびっくりしたわよ今。

「…チッ……」

エルヴィン「分かったらこの場から去れ。」

最後にその言葉が決め手となり、男はしぶしぶ去っていく。

おぉ…この人、強い……

エルヴィン「さて、掴まれていた腕は平気か？」

A「！平気です。助けていただき本当にありがとうございました。」

エルヴィン「構わないよ。ただ…調査兵の男があんな者ばかりだとは思わないでくれ。一部ああいう輩はいるが…まともな者も多い。」

A「えぇ…理解しています。大丈夫ですよ。」

太い眉を下げこちらを見てくる分隊長に対して、不快な気持ちなどは全く無くて。
少し微笑み見上げた。