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A｢…いったい、…どういう状況？｣
｢ハンジが急に掴みかかってきたの！私達何もしてないのに！｣
ハンジ｢っ…何もしてない、わけが無いだろう…！｣
…なるほどね、何となく理解したわ。
恐らく掴まれてる彼女は私に嫌がらせをしてきてた主犯格。
ハンジはその嫌がらせに気づいて、…ってとこかしら。
…いやいや、おかしい。…何でハンジが怒るわけ？
ハンジは何をされたわけでもないでしょう…？
A｢…とりあえず、双方落ち着きなさいよ。いい歳して…こんな人集りの中騒ぐものじゃないわ。｣
ハンジ｢…はぁぁ……それもそうだね。｣
ハンジがぱっと手を離す。つま先立ちになっていた彼女は急なことによろめいた。
｢きゃっ…っ…覚えてなさい｣
そう吐き捨て、彼女はどこかへ行ってしまった。
私も…色々聞くとしますか…
A｢…来て。｣
ハンジ｢！…あぁ。｣
ハンジの腕を掴み、人がいない場所へ連れていく。
A｢それで…どういうこと？｣
ハンジ｢…彼女達、あなたを悪く言っていたんだよ。それにあなたの物を傷つけたりもしていた。｣
A｢だから？｣
ハンジは、少し目を見開きこちらを見る。
ハンジ｢だ、から…って…｣
A｢…どうして貴方が怒るわけ？関係ないじゃない。｣
本当に、全く関係がないのに。教官が来て怒られ評価を下げられるかもしれないのに。
貴方があんなことをする必要は、ないのに。
ハンジ｢…怒らせてよ。あなたのことで。彼女達はあなたのことを何も知らないんだよ？なのにあなたのことを悪く言ってた。そんなの、腹立たしいにも程があるだろう…？｣
A｢私はそんなの気にしない。どうでもいいわよ。それに、貴方だって私のこと、…何も知らないでしょう？｣
ハンジ｢！…｣
そんな関係じゃないでしょう、私達は。
何も知らないでしょう。私のことを。
私の孤独も
私の悲しみも
私の辛さも
私の喜びも
私の努力も
私の想いも
何も、知らないでしょう…？
A｢なのに、勝手なこと…しないで。｣
ハンジの目を見つめる。ハンジの眼鏡に、瞳に、私の姿が反射して見える。
ハンジ｢……あぁそうだね。何も知らない。私も、あなたのことを何も知らない。だって、教えて貰えないんだもの。｣
A｢…！｣
ハンジ｢あなたは自分のことを知られたがってないよね。でも今寂しそうにしてる。本当は人と関わりたいんでしょ？本当は自分のこと、…知ってほしいんでしょう…？｣
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作者名：みれい | 作成日時：2023年9月8日 0時
