そのままの君が好き

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暫くして、
客間から北山先輩達が出ていくのが見えた。


姿が見えなくなったから、客間の片付け。


お盆にお湯呑みを並べて、机を拭いて。

椅子を揃えていると、

｢社長、気に入ってたぞお前の事｣

北山先輩が戻ってきた。

｢今度食事会に連れて来いって｣

椅子を並べるのを手伝ってくれる。

｢本当？高級なお寿司とか、食べれる？｣

｢ばーか。飯に釣られてんじゃねぇよ。｣

｢北山先輩ばっかりずるいです。｣

｢…あの人、
酔うと有名なセクハラ親父だから、だめ。｣

｢…まじですか｣

｢大事な部下に手ぇ出されたらたまんねぇよ｣


なっ、て綺麗に椅子を並べ終わると、

｢そーいえばさ、｣

私の目の前に来た北山先輩。


｢手、どーかしたの？｣

まだ少しだけ赤くなってる右手に視線を落とす。

｢ちょっと、やけど？みたいな…
いや、そこまで酷くないんですけど｣

｢ふーーん｣

いきなり私の右手を掴んでじろじろ見てくる。

｢なん、ですか…？｣

｢Aって意外と手、キレイだよな｣

｢へ？｣

｢手、だけは｣

｢はい？｣

｢顔に、似合わず？｣

｢…殴りますよ｣

｢おーこわ｣

あっあっあって笑いながら
フロアに戻って行く北山先輩。



何よ、いきなり。

不覚にもドキッとしてしまった私はアホだ。

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