そのままの君が好き

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北山先輩のばか。


急ぎでやれって言われた仕事

全然終わんなくて、私の貴重なお昼休み
あと15分しかないし…。


社食行くのも時間ないし
買いに行くのも面倒臭くなっちゃって


｢宝物、、許せっ！｣


デスクの上に大事に置かれてたそれに手を伸ばす。


チョコレートの甘さが口いっぱいに広がって
少しだけ空腹を紛らわした。




…それにしても、激甘っ。



コーヒーでも飲も。



給湯室に向かおうとフロアを出ると
勢いよく入ってきた人とぶつかりそうになる。


｢あ、Aいた。これ、ありがと。
助かったわ｣

私のお昼休みを奪った憎きデータを
出力した書類をちらちらさせてる北山先輩。

｢いえ、おかげで私はお昼抜きですけどね｣

｢いーじゃん、ダイエットしてんだろ？｣

この人は。
私をイライラさせる天才ですか？

無視して給湯室に行こうとすると

｢ほら、食え！｣

ぽーんと雑に投げられるサンドウィッチ。

｢え、これ…｣

｢今から打ち合わせ入ったから出てくる。
ボード直帰にしといて。｣

｢あ、はい。あの、これは｣

｢やっぱAすげーわ。
短時間でよくまとめたなって部長褒めてた。｣

｢…それは、どーも｣

｢素直にありがとうございますって言え！｣

ふざけて肩パンしてくる北山先輩。

｢おい北山、出るぞー｣

｢あーい、今行きます！｣

フロアの外から呼ばれて、返事をすると

｢ちゃんと食わねーと骨折れっぞ｣

って肩をトントンして行ってしまった。



朝からバタバタしてたし
きっと北山先輩もお昼休み無かったはず。


これ、先輩の分のお昼じゃないの？


サンドウィッチのラベルを見れば

[ハムカツ＆タマゴサンド]って
もろ北山先輩好みだし。



ぶっきらぼうで、デリカシー無いし
女心まっったく分かってないけど

意外と優しかったりするんだから。




グゥっとなった自分のお腹の音。




目の前にある北山先輩からもらったサンドウィッチをありがたく頂くことにした。

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