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「…さむ」
羽織ってたカーディガンは
雨に濡れてひんやりしてる。
「急に冷えてきたな」
さり気なく暖房をつけてくれた。
「あ〜残念、ひざ掛けトランクだわ」
「いえ、大丈夫です」
雨に濡れて落ちてくる前髪をかきあげて、
ワイシャツの袖を捲ってる。
さっきから、
北山先輩の仕草に目が離せないのはなんでだろ
「しゅっぱつ〜」
助手席の肩を掴んで車をバックさせる先輩。
だ、抱かれるかと思った…//
「…どした?」
そのままの体制で、目が合う。
「いや、なんでも…//」
「んふふ。先輩のドラテクに惚れんなよ〜」
「ふふ。なんですかそれ」
:
:
:
「あ、ここです。このマンション」
北山先輩に教えながら、家の前に到着。
「はいよっと、」
道路の隅に寄せて、停車した。
「ありがとうございます、助かりました」
「ん。風邪ひくなよ」
「先輩こそ。でわ、お疲れ様でした」
「あのさ、」
「…はい?」
シートベルトを外そうとしたら、
話し掛けてくる北山先輩。
「Aって俺の事、どー思ってんの?」
「へ?どうって、それは、」
「うん?」
「せんぱい、ですよ…会社の」
「ふーん。俺は、Aのこと好きだけど」
「…は、はい?!//」
さっきまでふざけてたのに。
北山先輩はいつも唐突すぎませんか?!
「って、前言ったじゃん」
「そう、でしたっけ…」
遡る記憶は、
泣きじゃくる私を公園でなだめてくれた日でストップした。
「そーゆー奴の車に乗るとかさ、
期待してもいいってこと?」
「えっと、それは…」
「いいならこのまま連れて帰る」
「えっ、どこに」
「俺んち」
「………!!!///」
「…どっち?」
いきなり、そんなこと言われましても…
この前まで藤ヶ谷先輩しか頭になかったけど、
北山先輩のことが気になってるのも事実。
「…A」
濡れた髪の毛にくしゃっと指を通して
北山先輩の方を向かされる。
「そんな顔されると、本当に帰したくなくなる」
自然と2人の間は縮まっていて、
「…まだしちゃだめ?」
鼻と鼻が触れそうな距離で囁く北山先輩。
「…だ、だめ///」
あ、くる。
そう思って目を瞑ると、
頬に暖かい北山先輩の唇が触れる。
小さくチュッと音を立てて、
すぐにその温もりは離れていった。
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mayumitsu(プロフ) - カエルさん» あらら(´・_・`)?全体に公開にしてありますが、まだ見れないですかね? (2018年10月12日 10時) (レス) id: f9bceb6954 (このIDを非表示/違反報告)
カエル(プロフ) - なんでか7ページから友達限定になって見れないです。 (2018年10月11日 17時) (レス) id: d9668794f8 (このIDを非表示/違反報告)
mayumitsu(プロフ) - あやみつさん» こちらこそ、またまたコメントありがとうごさいます♪北山先輩にヤキモチやかれて八つ当たりされたい作者でございます(^p^)また見に来てください〜♪ (2018年9月27日 15時) (レス) id: cacc5e714e (このIDを非表示/違反報告)
あやみつ(プロフ) - 先日はお返事ありがとうございました!そして日々マメに更新して下さるのにも感謝です☆藤ヶ谷先輩もどかしいし、北山先輩のヤキモチが可愛すぎてもう堪りません!(;_;)引き続き楽しみにしていますね...♪*゚ (2018年9月25日 22時) (レス) id: dc18d6611c (このIDを非表示/違反報告)
mayumitsu(プロフ) - ゆなさん» 初めまして!コメント&読んで頂きありがとうございます!ドキドキして貰えました?嬉しいです(//∇//)これからもよろしくお願いします! (2018年9月24日 13時) (レス) id: 7ed0067e12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mayumitsu | 作成日時:2018年9月20日 17時