そのままの君が好き

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｢おっちゃん生ふたつー｣


慣れた感じで注文して、
カウンターに座る北山先輩。


｢あと、枝豆とだし巻きと〜、
このちくわのやつ！｣

はいよーっておじさんが元気よく答えると
おまたせね〜っておばさんがビールを持ってきた。


｢はい、おつかれ〜｣

｢おつかれさまです｣

かちんと乾杯すると
ひゃーうめーって1口のんで
顔をしわくちゃにする北山先輩。


｢んで、どうだったの？藤ヶ谷とのデート｣

｢ぶふッッ｣

｢おま、きたねぇ！笑｣

お絞りを投げてくる北山先輩。

｢なんで、、知ってるんですか…｣

｢先輩はなんでも知ってんのよ｣

知られると1番面倒臭い人に知られた…。

｢ま、ここにいるってことは、あれだな。
残念だったな｣

ドンマイって肩をポン。

｢デートっていうか、
ただ食事に連れて行ってくれただけです｣

｢ほぉ｣

｢藤ヶ谷先輩は北山先輩と違って
ガツガツしてないんですよ｣

｢そー思う？｣

｢…どういう意味ですか｣

｢いや、藤ヶ谷はああ見えて、、んふふ｣

｢なに、教えてよ！！｣

｢おいバカ、零れる！｣

｢ああ見えて、なに？！｣

｢やっぱやめた｣

｢はあ？やっぱり北山先輩って最っ低｣

｢今日ぜんぶAのおごりな｣

｢…帰る｣

｢嘘だから！ほれ、飲め｣



むっかつく。

残ってたビールを飲み干す。


｢おじちゃん、おかわり！
あと、イカの一夜干しとエイヒレ追加で｣

｢おっさんじゃねーかよ｣

｢うるさい。これが落ち着くの｣


北山先輩の前ならどうだっていいんだ。


もう、この際とことん飲んでやるんだから！

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