ベランダの恋＿2

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きっと北山さんは
あの見た目、包容力、優しさ。


どこをとってもモテの要素しかないし、
実際短期間に違う女の人と一緒にいるところ(お持ち帰り現場)を見ちゃってるし。


固定してる彼女さんはいないのかな。

はたまた、いるとしても他の人と..？



仕事中なのに頭の中には
女の人に囲まれる色気ムンムンの北山さんがイメージされてきて困っちゃう。



きっと色んな経験があるから
女性の扱いが上手なんだろうね。


そして北山さんレベルになると、
扱う女性のレベルも高くなってくるし。


私なんて北山さんから見たら
女にすら見られてないんだろうなぁ。





｢おーーーい。どうした？｣


ブンブンと顔の前で手を振るミカ。




｢ん？あれ？もうお昼？｣

｢もうみんなとっくだよ(笑)
なんかあった？考え事？｣

｢んー、ちょっと｣

｢なになにー、話聞くよ？
ランチしながら話そ｣





:





｢...A、沼だよ、それ｣

｢ぬま？｣

｢爆モテチャラ男の沼。
1度ハマったら抜けられないよ、それは｣




沼か。


確かに、北山さんと出逢ったあの日から。


少しずつ、ジリジリと引き込まれる様にして
段々と距離が近くなっていってる気がする。



でも分かってるから。


北山さんにはいっぱい綺麗な女の人がいて
近いと感じるこの距離やスキンシップも
北山さんから見れば大したことなくて
私はただの隣人なんだってことを。



そう、私が勘違いしなければ
きっとその沼にハマることはないんだから。



｢大丈夫だよ。
ハマりそうになったらよけるから｣



本当はまだ裕太に未練があるのに。

いつも気付くと北山さんが
泣いてる私をよしよしってしてくれて。

私もバカだから
簡単に甘えてしまうし。




｢A、

沼っていうのはね
気づいた時にはもうハマってんのよ｣



少し小悪魔な笑みを浮かべるミカ。



｢だから気をつけなね？
はー、お腹いっぱい。
眠くなりそうだからコーヒー買って帰ろ？｣



ミカの提案通りランチ帰りに
コーヒーショップに寄ることにした。

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