ベランダの恋＿2

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｢まーじで腹減った。
俺今日これが1食目だわ｣

｢えっ、そうなんですか？！｣

｢そ。あー、違うか。
さっきのAちゃんのきゅうりが1食目だな(笑)｣


だから、あんなに食べるの早かったんだ…?


｢店終わって帰ってくんの大体朝だからさ。
そっから寝ると
起きるの夕方なんだよね、月曜って｣

｢そうなんですね。
月曜はお店お休みなんですか？｣

｢うん。月火水は休みだからさ｣



だからよく月曜日に
北山さんに会う確率が多かったんだ。



｢だからさー、｣

｢はい？｣

｢たまにこーやってさ、ご飯一緒に食べない？｣

｢....北山さんと、私が？｣

｢うん。だめ？｣

｢いや、だめ、…では、ないですけど、｣


北山さんにだめ？って聞かれて
首を縦に振れる人っているの？！？


｢一人暮らししてるとさ、
外で食うのもラクでいいけど
こーやって家で作ったものを誰かと食べたくなんない？｣

｢あー、なんとなくそれは分かりますね…｣

｢でしょ？だから
Aちゃんが暇な時誘ってよ｣


あ、って言って
ポケットの中から出てきたのは
北山さんのスマホで。



｢連絡先、交換しとこ｣

｢はい｣


私も鞄からスマホを持ってきて、
お互いの連絡先を交換した。



し終えると、
ちょうど土鍋の蓋の蒸気穴から
湯気が出始める頃だった。



｢お。もーすぐじゃん？｣


覗こうと思ったのか
布巾で鍋蓋を掴んで少し開けると、
間から湯気がたくさん出てきて
｢あっちっ｣って北山さんが言うから笑った。

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