ナナイロの虹＿2

＿M ページ6

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｢飯行かね？｣


ラジオ収録の前、
珍しくキタミツからストレートなお誘い。


いつもは独り言とは言い難い大きい声で
“今日は肉の気分だわー”
とか、誘って欲しいの丸出しでブツブツ言ってるのに(笑)。






｢いいよ、どこ行く？｣


｢焼肉行きたいんだと｣



顎でブースの外を指すキタミツにつられて
そっちを見るとAちゃんが俺たちを見てた。


あぁ、そういう事？



マネージャーさんも一緒にご飯行くことはよくあるけど、ここ最近は行ってなかったもんね。



OK〜、ってAちゃんにサインすると
返事の代わりにお辞儀してくれた。








今日も軽快なキタミツのサウナトークを聞いてたら、あっという間に収録終わり。



スタッフさんに挨拶してから移動車に向かう途中、キタミツがAちゃんに聞こえないような声で俺に話してくる。




｢あいつ今日メシちゃんと食ってないらしい｣

｢えっ、そうなの？？｣




俺たちは食べそびれても、
現場現場でケータリングとか差し入れがあるから何となく食べるものに苦労はしないけど。


マネージャーさんには休憩時間ないもんね。




キタミツがAちゃんに渡したお店は、
かなり良い所だった。


俺すらも中々連れてって貰えないレベルの。



キタミツがメインで注文を済ませると、
てんこ盛りのご飯とお肉がたくさん運ばれてきた。



いつも通り、キタミツは焼きに徹するし
Aちゃんは目をキラキラさせながらめちゃくちゃ美味しそうにパクパク食べだした。









段々酔ってきたキタミツは、
Aちゃんに少々のウザ絡みしだした。

だけどAちゃんは、
うまい具合に適当に相槌打ちながらお米をかきこんでる(笑)。


さすがに3年目になると慣れてくるのかな。



それにしても食べっぷりがよくて
見てて気持ちよくなってくる。







｢…………、？｣

｢いや、美味しそうに食べるなぁと思って｣





見すぎちゃって目が合ったから、
素直にそう告げた。




｢だってめちゃくちゃ美味しいですもん｣

｢ふふふ、だねー｣




あったりめーだろー、って隣で言うキタミツ。





｢あ、ちょっと、｣

｢？｣



こいこい、って手招きすると
机を挟んで座ったままちょっと近づいてくれる。




｢ほら。お弁当、ついてたよっ｣



Aちゃんのほっぺについてたお米をとってあげると、分かりやすく真っ赤になってた。

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