ナナイロの虹＿2

＿y ページ2

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｢ごめん、大丈夫？｣


尻もちをついた私に、
立ったままの横尾さんが手を伸ばしてくれた。



｢すっ、すみません！
横尾さんこそ大丈夫でしたか？｣


｢俺は平気だけど。
Aちゃん吹っ飛ばしちゃった｣


｢私は大丈夫です、おしり強いんで！｣



そう言うと横尾さんはハハって笑う。



勝手にぶつかっていったのは私だから、
自分で立ち上がろうとすると腕を掴んで立たせてくれる横尾さん。



｢ん？｣



その横尾さんの視線が、床に。


視線を辿ると、さっき猛スピードでチャージしたゼリーのゴミ。



｢…あっ、｣


ぱって拾いあげて、後ろ手に隠す。




｢…ごはん、食べ損ねちゃって｣


だとしてもタレントが仕事中に飲食って
ありえないですよね。

テヘッみたいなテンションで言っちゃったけど
よく考えたらめちゃくちゃ失礼じゃん！



｢すみませんでしたっ｣


太ももにおでこつくんじゃないか、
って勢いで頭下げる。


ごめんなさい横尾さん。



なのに、






グウゥゥウ〜〜〜。







空気を読めない私のお腹……。





｢………ぷっ、ふはははははっ｣




恥ずかしくて、ゆっくり顔を上げると
眉毛をハの字にして笑ってる横尾さん。





｢………/////。｣





｢ふふふっ。…ちょっと、おいで｣




逃げ出したい………。



けど、
言われた通り横尾さんの後に着いていくと
隣のメンバー用の控え室へ。




｢ん。｣



机の上のケータリングから、
おもむろにサンドウィッチを掴んだ横尾さんは私の口の真ん前に差し出した。



｢……へ？｣


｢食べな。焼き鳥のほうがいい？｣


｢もっ、貰えませんよ！
これはタレントさん専用なんで｣


｢いいから。誰もいないし｣




ぐって近づけてくるから、
もうパンの端っこは私の唇に当たってる。


｢ほら、｣


なんなら、サンドされたハムの端っこも。



仕方なく、いいんですか？って視線を横尾さんの方に向けながらかぷっと食いつくと横尾さんの手が離れた。



お、おいしい……。


咀嚼物、おいしい(泣)



もぐもぐしてると廊下から、

｢よこーさーん、集合撮るってーー｣

って北山さんらしき声が聞こえてくるから
物凄い速さで飲み込んだ。


横尾さんは相変わらず私を見て困った様な顔して笑ってるけど、そんな横尾さんに心からのお礼を言って部屋を飛び出た。


｢あ？横尾さんいた？｣


すれ違った北山さんに、

｢すぐ来ると思いますっ｣

て返事してスタジオに戻った。

＿Ki→←＿y

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