そのままの君が好き＿4

＿＿＿＿＿＿2 ページ10

＿


2年前＿。



まだみっくんと私が、
東京と福岡で遠距離だった頃。






みっくんの仕事が忙しくて、
3ヶ月程会えない時期があった。



多分、相当酷い顔をしてたんだと思う。





｢このままご飯行っちゃおっか｣




たまたま帰り道で一緒になった藤ヶ谷先輩が
声を掛けてきてくれた。




｢ここのスイーツ美味しいんだって｣




女の子が好きそうな、
可愛いインテリアのダイニングカフェ。



藤ヶ谷先輩ってどうやってこういう所知ってるんですか？


みっくんなんて飯行くぞ！ってなったら
だいたい焼肉かラーメンの2択だよ？





雑穀米に、メインのお肉、
そして色とりどりの野菜がたっぷりのったディナープレートは見た目もオシャレで。





｢今日部長がさ〜、…｣



部長の面白い話とか、
先週駅前に出来たお店の外観が可愛いとか。


楽しい話をたくさんしてくれる藤ヶ谷先輩。







｢Aなんにする？｣


ご飯を食べ終わると、
デザートのメニューを見せてくる藤ヶ谷先輩は私よりもワクワクしてて可愛い。





｢えー、悩みますね。
チーズケーキか…
ミニパフェも美味しそうだし、ん〜どうしよ｣


｢はは(笑)。いいよ、たくさん悩みな｣


｢藤ヶ谷先輩はなんにしますか？｣


｢俺はねー、…いちごタルトかなぁ｣


｢あー、これも気になってた！
絶対美味しいヤツですよねっ｣


｢ふははっ(笑)はんぶっこしてもいいよ｣





藤ヶ谷先輩といると、
なんだかお姉ちゃんといるみたいな気分。



いや、もちろん
超超超イケメンの王子様って事は充分承知してます。



だけどなんだか安心感があるというか。




藤ヶ谷先輩を好きだった懐かしい時期もあったけど、よく考えるとあれは憧れの方の好きだったのかな、って。



恋愛感情が無くなった今は、
変な緊張も見栄も無くなって良き先輩と後輩って感じであの頃よりも仲良くなれてる気がする。



恋とか愛とかじゃなくて。

人として、
先輩として本当に頼りになる人なんだよね。





だからこうやって、
今日もご飯に誘ってくれるし。

＿＿＿＿＿＿3→←あの時の話＿1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す