そのままの君が好き＿4

優しさ ページ29

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晩御飯のサラダ用に玉ねぎをスライスしてたら
ボロボロに涙が出てきちゃったから
リビングにティッシュを取りに行くとちょうどそのタイミングでみっくんが帰ってきた。



｢ただいまー....あ？！｣


｢あ、おかえりぃ｣


目をまるくさせて2度見してくるみっくんに、
いつも通りおかえりって返すけど。



｢なに、どした..？｣


｢んー？なんもないよ｣



ズズって鼻すすってキッチンに戻ろうとするけど、｢おい｣って後ろから捕まえられる。



｢どっか痛い？きもちわるい？｣

｢ううん、今日は元気だよ｣

｢座っとけ。あと俺やるから。な？｣

｢みっくん、私ほんとにだいじょうぶ
｢分かったから、ほら｣



喋ってる途中なのに、
ソファまで連れて来られて座らされる。

と、くしゃって頭を撫でながら、

｢お前1人の体じゃねーんだからな？｣

ってめちゃくちゃ優しい声のみっくん。




｢...みっくん、｣

｢ん？｣

｢それも言ってみたかったってやつ？｣

｢..おう(照)｣



2人で見合わせてふふふって笑っちゃう。



｢手ぇ洗ってくる｣

って、私の太ももをポンポンってしてから
洗面所に消えてくみっくん。


戻って来た時には、
スーツかららくちんな部屋着に着替えてて
そのままキッチンに入っていく。



｢これ切んのー？玉ねぎ｣

｢うん。サラダにしようと思って｣

｢これで？｣

｢そう。指までスライスしないでね｣

｢まかせろ｣


シャッ、シャッ、ってゆっくりだけど
スライサーで玉ねぎ切ってくみっくん。

危なっかしいかと思ったけど、
意外と器用にこなしてく。


だけど、残りの半玉スライスし終わる頃には
目をぱちぱちさせてて、
鼻をズズッてすすってる。




｢その玉ねぎ辛そうだよね｣


ティッシュを何枚か掴んで
キッチンのみっくんに持っていくと
こっちを振り向いたみっくんは目を真っ赤にさせて涙が溜まってる。


｢めっちゃしみる〜｣

って目をぎゅって瞑るから
あらら、って両手塞がってるみっくんの目をティッシュてとんとん拭いてあげた。


｢だよね、
私もさっきボロボロに泣いちゃったよ｣


｢....あ？
なに、Aもしかしてコレで泣いてたの？｣

｢そうだよ｣

｢おまえさぁ、｣

｢おまえって言うのやだー｣


ぎゅーってみっくんの後ろから
甘えるように抱きつけば、

｢よかった。安心した｣

って覗き込まれて。


手を洗ったみっくんが、
まだ少し濡れてる片手で頬を掴んでゆらゆらってしてくる幸せな夜。




end.

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