そのままの君が好き＿4

ちゃんと選んで＿1 ページ19

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｢ただいま〜｣


部屋のドアを開けると
パタパタとスリッパを鳴らして近寄ってくるA。



｢みっくんおかえり。今日はハヤシライスだよ｣

｢まじか、ちょうどハヤシの気分だったわー｣



ほんとに？なんて嬉しそうに笑いながら
俺のジャケットを受け取ってハンガーに掛けると手際よく晩メシの用意をしてくれる。



手を洗って部屋着に着替えてから
よそってくれたハヤシライスを食べ出すと



身体に当てながら見せてきたのは
着物？いや、浴衣か？



｢どしたの、それ｣


｢今日昼間実家に行ってきたんだけどね、
お母さんに浴衣もらったの｣


｢へー。Aの母ちゃんのヤツ？｣


｢そう。可愛くない？｣


白地に紺の花柄入りの
シンプルで大人っぽい浴衣。

ハンガーに掛かってるやつ当てながら
上目に見てくる。


その仕草、ずる。



｢おぉ、いいじゃん｣って返事すると
浴衣体に当てたまま向かいの椅子に座る。




｢じゃあさ、これ着て花火見にいこ｣


｢あー、来週だっけ？いいよ｣


｢ほんとに？みっくんも浴衣着るんだよ？｣


｢..俺も？浴衣あるっけ｣


｢じゃーーん｣



今度はスマホの画面を俺に見せてくる。



｢なんこれ｣


｢みっくんに似合いそうな浴衣
チョイスしておきました｣



これと、これとー、ってスライドして
ネットショッピングのサイトの画面がくるくる変わる。



｢えー、俺浴衣とかいつぶりだろ。似合うかな｣


｢似合うよ！私が保証する！｣



よっぽど楽しみなのか、
鼻の穴でっかくして言うA。(笑)



｢ふふふ、じゃあ後で一緒にえらぼ｣


｢うんっ、あ、お茶持ってくるね｣



パタパタと冷蔵庫に向かう後ろ姿ですら
嬉しそうなのが分かるから。




ご飯を食べ終わって風呂済ませた後、
ラグに座って机で真剣にスマホいじるAに後ろからくっついた。

＿＿＿＿＿＿＿＿2→←そーゆー時期

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