恋愛のススメ〜千賀の場合〜

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｢んーん、酔ってないよ。お水持ってくるね｣




私の頭を撫でてにこっと微笑むと
ソファから立ち上がってキッチンへ向かった健永くん。



ぽつんとリビングに残されて、
今まで近すぎた距離からいきなり1人にされたからか、少し寂しいって思ってしまった。





ワインでなのか、健永くんでなのか
顔が熱くて心拍数が凄いことになってる//。





お店に居る時の
みんなにいじられてキャッキャ笑ってる健永くんとは全然違うそのギャップにいちいちドキドキさせられちゃってるな、今日は。





その日は、お水を貰って酔いが覚めてきたところで健永くんの家を後にした。









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｢｢やった？｣｣




数日後の金木星。


ニカとミツの声がハモった。





｢やってないし！
ていうか、やるってなにを？！｣





マジかよ、って信じられないみたいな顔して僕を見てくるけど
2人のその下品すぎる考えこそ信じられない。





｢もうそこまでいったら最後までいくっしょ｣



よこーさん、おかわりー。ってハイボールのグラス持ちながら話すミツ。



｢俺だったらいっちゃうね｣



ニカもついでにって同じやつ頼んでる。





｢俺ね、真剣なの。
ミツやニカみたいに軽くないから｣






ニカとお店に行ったら
たまたま居合わせたミツ。



今日はA休みって横尾さんが言うから
そこからAちゃんの話題になって…。



つい、
ポロッと先週デートした話をしちゃった。







｢ていうか、千賀マジなの？｣



ニカが横尾さんからグラスを受け取って、
ひと口飲んでから聞いてくる。




｢…そうだよ？｣


｢へー。まぁ、頑張れ｣


｢Aって固そうに見えるけど、
案外押しに弱いタイプだからな｣


｢…なんでミツがそんなこと分かるの？｣


｢え？まぁ…、なんとなく？｣




ミツレベルになると、
見ただけで女のコのタイプが分かっちゃうのかな。



押しに弱い、かぁー。



だからって、自分だけの感情で
グイグイ行くのはなんか嫌なんだよなぁ…。




お互いが惹かれあって、求めあって
付き合うならそういうカタチが理想なんだけど。




｢ロマンチストな千賀には難しいんじゃね？｣




ニカの言う通り、
ミツの助言は僕には全然しっくりきてない。

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