恋愛のススメ〜千賀の場合〜

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健永くんの頬に控えめに触れると
私の手の上から健永くんの手が重なって。



｢Aちゃんの手、冷たくてきもちい｣




自分の頬を押し付ける様にするから
健永くんの唇が手に触れてその感触にドキッとする。




そのまま、指と指の間に
健永くんの指が絡まって。



きゅって握られたまま少し引っ張られるから
隣同士に座ってるお互いの肩が触れた。



さっきよりも近くで見る健永くんは、
お肌がつるつるで睫毛も長くて本当に綺麗で。



優しい顔で私を見つめてくる健永くんから
目が逸らせなくなっちゃう。








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なんとか空いたボトルワインを
Aちゃんと飲みながら喋った。



ダンスの事を色々聞かれたから、
ちょっと熱く語っちゃったんだけど。



どの話もAちゃんは、
うんうん、って真面目に聞いてくれて。



それが嬉しくてついつい語っちゃったよね。








3杯目ぐらいのワインを飲み干すAちゃん。




ついであげようとするけど、
ちょっと休憩するって。



確かにAちゃんの頬は、
ふんわり紅く染まってきてる。




自分で手を当ててるAちゃんを見て
無意識に僕もそこへ手が伸びた。



触れたいって思ったから。






｢ちょーあついじゃん。｣



内心、めっちゃ緊張してる。


そこへAちゃんの柔らかい頬の感触と
じんわりと火照った温度が加わってくるから
悟られたくなくて棒読みしかできない。





｢…健永くんだって赤いよ｣




そう言うAちゃんは
恥ずかしいのか目線を外してくるから。


俺も恥ずかしくなってAちゃんから手を離して自分の頬に。





でも、触れた後に思ってしまうのは
触れて欲しいって気持ちで。





ちょっとふざけ半分で、
自分の頬を差し出してみる。





外された視線をまた俺にゆっくり合わせた後、
そーっとAちゃんの手が俺の頬に伸びてきた。




嬉しい。




やだよー(笑)なんて、
かわされちゃうかなと思ってたから。

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