恋愛のススメ〜千賀の場合〜

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｢千ちゃん、Aちゃん、おめでと〜｣


宮田の合図で、5人で乾杯して。

仕事中だったけど、Aちゃんと
横尾さんもグラスだけ持って参加(笑)。



まだ周りにお客さんがいるから、
ありがと♪って言ってすぐAちゃんは仕事に戻っちゃう。






｢千ちゃーん、ニヤけてるって｣


｢宮田に言われたくねーし！｣


｢はいはい、可愛いなぁ千ちゃんは｣





しょうがないじゃん。


大好きな人が近くにいるのに、
顔緩まない方がおかしいでしょ。





｢千賀もう一個あんじゃねーの？｣


｢あ、そうだった！聞いてよ、
オーディション今年受かったんだよ！｣


｢あの毎年受けてるヤツ？
まじか！千ちゃんすげーな！｣




ニカに振られて宮田に言うと、
宮田も全力で喜んでくれるからマジで嬉しくなる。







｢あれってどのくらいあっちに行くの？｣


｢まだ詳しいことは知らないけど、
稽古も含めて1年くらいじゃないかな｣


｢マジか。千賀そんないなくなんの？｣


｢そっかー。
Aちゃん遠距離になっちゃうね｣






…遠距離？





嬉しいことが立て続けに起こって浮かれすぎてそんな事にまで気が回ってなかった。






そうじゃん、遠距離！





しかも、日本とアメリカって...。






国境超えてるんですけど。






カウンターに両肘ついて頭を抱え込む。






｢やっ、でも、1年って決まってるなら、ね？｣





宮田がフォローしてくれるけど。



そんなの全然響かない。




せっかくAちゃんの彼氏になれたのに、
離ればなれになるなんて。





｢あっち行くのだって、すぐじゃねーだろ？
とりあえず今日はお祝いなんだから
へこんでんじゃねーよっ！｣





ニカに肩揺すられて、グラス持たされる。





｢Aー、千賀スペシャル作って！｣


｢なにそれ(笑)そんなのないよ｣






ニカとやりとりして
楽しそうに笑ってるAちゃん。




遠距離になるって伝えたら、どう思うかな。

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