恋愛のススメ〜北山の場合〜

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カランとお店のドアが開いて
やって来たのはひろで。

｢お、噂をすれば｣

宮田くんがそう言って
ニコニコしながらお疲れーって。


｢なに、なんの話し？｣

｢式の日取り早めに教えてよってはなしー｣

｢あぁ、そゆこと｣

｢やっぱ、ジューンブライド？｣

｢宮田くん、今それって人気ないんだよ｣

｢えっ、そうなの？！｣


はい、ってひろにビール渡すと
さんきゅって受け取ってくれる。


｢つーか、
Aと2人でとか考えてたんだけど｣

｢あー、海外挙式？いいわ〜｣

玉森くんが目を瞑って賛同してる。


｢でも、Aのご両親はドレス姿見たいんじゃない？｣

横尾さんの問いかけに、

｢やっぱそう思う？｣

ってひろがカウンターから見上げる。


｢あ、じゃあ式はあっちで挙げて
披露宴はこっちでやったら？
知り合いがそうしてたよ、披露宴はカジュアルなパーティーにしてさ。
俺だってAちゃんのドレス姿見たいし｣

｢は？見せねーし｣


あの、男子だけで盛り上がってないでよ？

花嫁、ここにいますからね？



上がる時間になって、
ビール1杯飲み終えたひろと一緒にお店を出た。




裏口から階段をあがって、私の家へ。


｢さっきの話、ほんと？｣

｢うん、そうしたいなって思ってる｣

｢海外で？｣

｢うん、よくない？
誰も知らないとこで、二人っきり｣

｢すごく魅力的だけど、いいの？
そんな贅沢しちゃって｣

｢いいの。そのまんま1週間くらい
ハネムーンでどうですか？｣

｢最高だと思います｣

｢んはは(笑)決定。
早くお父さんからOK貰わないとな｣

｢そうだね｣



返事すると、
ひろは私を抱きしめてキスした。







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半年経った頃、
諦めずに実家に通い続けた宏光は見事にお父さんからOKを貰ってきた。

しかも結構仲良くなったみたいで、
今度は2人で飲みに行くんだって。

宏光のコミュ力、半端ない。


私は仕事を夜のシフトから昼のランチ営業へ切り替えてお店を任される事になった。


横尾さんから借りてる部屋の更新が来月に迫る頃、宏光の部屋にお泊まりした。


いつもの様に一緒にお風呂に入って、
ドライヤーで乾かし合って。

寝室へ向かおうとすると
ひろが突然目を瞑ってって言ってくる。


｢えっ、なんで？｣

｢いーから。はい、これつけて｣

アイマスクされちゃって本当に何も見えない。

その状態で手を引かれて寝室へ連れていかれた。


｢はい、座って｣

ベットの前まで連れてこられたから、
そこへ座る。

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