恋愛のススメ〜北山の場合〜

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｢…北山さん、本気？｣

｢そうだっつってんじゃん｣



なんかもう、色々急展開すぎて。


だっていきなり結婚なんてワードが出てくるし。




｢この前俺んちで飯作ってくれたじゃん。
そん時に思った。
Aが奥さんだったらいいなって｣



チャラ男の胃袋、掴んじゃった感じ？



｢それだけじゃないけど。
ツンツンしてんのに本当は優しい所とか、
男に対しても媚売らない所とか、
実は結構頑固な所とか？｣



言いながら、また私の髪の毛を触る。

それって職業病なの？



｢ま、1番好きなのは笑ってる時なんだけど｣


ちょん、って頬に触れる北山さんの指。


｢圧倒的に
睨まれる回数の方が多かったけどな(笑)｣



北山さんが自虐的に笑うから、
私も少し笑っちゃう。




｢…俺と一緒にいてくんない？｣


触れてた手が
開いてそのまま頬に添えられる。


｢つか、もうAじゃないと無理｣


親指でそっと頬を撫でられて。



｢俺の事嫌いでも、絶対好きにさせるから｣



…なんだか無茶苦茶なこと言ってるから
ふふふって笑っちゃった。




｢こら。笑うな、必死なんだから(笑)｣

｢もうとっくにそうなってますよ｣

｢ん？そう、って……｣

｢そういう事です、わっ｣



また、ガバって抱きしめられる。


と思ったら
さっきよりもかなり近い距離に北山さんの顔。




｢…A、俺のこと好き？｣



どっかで聞いたようなこの質問。


改めて、
こんな近さで言うのも恥ずかしいし頷いた。




｢ちゃんと言ってよ。聞きたい｣



もう、おでことおでこがくっついちゃう。


それに北山さんのその声なに？？

甘すぎるって。






｢………すき、です｣

｢誰が？｣

｢……わたしが｣

｢誰を？｣

｢………きたやまさん、を｣



誘導尋問されて白状すると、
ニッて笑う北山さん。



｢はい、じゃあ繋げて｣

｢やだぁ｣

｢可愛く言ってもダメ｣

｢嫌｣

｢じゃあ言うこと聞かない子にはチューする｣

｢…や、｣



北山さんに塞がれた唇は、
あの時と同じ様にふわっという感触を残してすぐ離れた。



｢A、すき｣



それだけ言うとまた唇が重なる。

角度を変えて何度も、何度も。


キスだけで溶けてしまいそうになるくらい
北山さんのキスは心地よくて目を瞑る。

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