恋愛のススメ〜北山の場合〜

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会場になってるのは、
鉄板やら道具を全て貸し出してくれる所で
材料もその場で調達できるBBQ場。



北山さん曰く、今日のメンバーは
専門学校の時のツレらしくて。


ヤンチャな方達だったらどうしようと、
1人ソワソワする。





｢よく考えたら、私めっちゃアウェイですね｣

｢みんな友達連れてきてるし大丈夫っしょ｣

｢本当ですか？｣

｢いいよ。ずっと俺んとこいれば｣




ずんずん進む北山さんに着いていく。







｢ミツー！久しぶり｣

｢宏光じゃん！｣

｢ミツこの前雑誌見たよ〜｣




やっぱり人気者の北山さん。

ずっと私を気にかけて隣に居てくれるけど、
飲み物を取りに行ったらあっという間に囲まれてる。


私が北山さん独り占めしちゃってるみたいで
逆に申し訳ない感じ。



1人でポツンと座ってると、
｢こんにちは｣って後ろから声を掛けられる。



振り向くと、
背の高いシュッとした男の人が立ってて。


｢俺、大倉って言います。北山の友達で。｣

｢あ、こんにちは。初めまして。
鈴木Aです｣

｢Aちゃんね。隣いい？｣


どうぞって椅子を詰めると、
どうもって大倉さんが隣に座ってきた。


｢彼女さんやんな？｣

｢え？違いますよ！そんなんじゃないです｣

｢え、ちゃうの？
なんだ。てっきりそうかと思て｣

｢私の務めてるお店に
よく来てくれる常連さんです、北山さんは｣

｢へぇー、そうなんや。｣


地元が関西の大倉さんは、
こっちに出てきて初めて友達になったのが北山さんだそうで。

同い年って聞いてびっくりする。

大倉さんは北山さんに比べると
かなり大人っぽく見えるから。



大倉さんと話してると、
いきなり首元に冷たいものが触れて
｢ぅわぁっ｣て変な声が出る。


｢ビールでいい？｣

｢…冷たいです｣

｢ビールぬるかったらうまくねぇだろ｣


キンキンに冷えた缶ビールを
私の首元に押し付けてきた北山さんを睨んだ。


｢ちょい、大倉、どけ｣

｢なんでや。俺が最初に座ってん｣

｢じゃあA｣

｢そっち座ればいいじゃないですか｣

｢詰めれば3人で座れんだろー？｣

｢ちょっと、やだ、狭いですって｣

｢ばかお前、俺の上座んなて！｣


長椅子に無理やり3人で座ろうとする北山さんは
大倉さんの膝の上に座ろうとしてるし。



そんな時に、


｢あっ、ミツせんぱーい！！｣


ってキャンキャンしてる可愛い声が響いた。

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