【小説版】咲き乱れるは心の花 (ページ23)

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保健室にて【貴鎖】ページ23

「...入学式初日からケガされたんですか ? 次からは気を付けてくださいね」

能力を使いケガを治してあげる。
治した後、その子は驚いたような表情をしてわたくしを見ていた。あなたもここの生徒なのですからそのような表情、なさらなくても良いと思いますが?それは申し上げずに出たのがさっきの言葉でした。
ありがとうごさいますっ!!、とまだ少し幼さの残る声でそうおっしゃりその子はここ、保健室から出ていきました。

「貴鎖ちゃんお疲れー。もうすぐ入学式だからゆっくりしてていいよー?」

あの子の姿が完全に見えなくなってから養護の先生(以下先生)がふわふわとした口調でそうおっしゃった。

「そうさせていただきます。パンフレットを書いたり、綴じたり、入学式の看板を書いたり、手当てをしたりとまあ、大変でしたからね」

「あれ?まだ根に持ってる?表には出れないから裏方の仕事たくさん回してみたんだけど...」

「回しすぎなんですよ。入学式ですからはしゃぐ方も多くたくさん人来られましたし」

えへっ。とウインク付きで返されたので少しカチンときましたがまあ置いておきましょう。表に出られないことは本当のことですし。.
..........視線恐怖症のせいで3年前の入学式のときにいきなり倒れましたからね、わたくし。それ以来入学式への参加を免除されているのです。そのかわり裏方の仕事が今回のようにたくさん回ってきますけど。

「あ、そのド派手な着物どうにかしてね ? 鈴蘭ちゃんからも言われなかった?」

とおっしゃってから先生はドアを開け、廊下に出ていきました。...場所は講堂でしょう。もうすぐですし。

さて、わたくしは仕事も終え、誰もいないことですし寝ましょうかね。