96 脅威 ページ5
櫻井side
Aは容易に俺に落ちた。
独立の援助も外出や食事の費用も
俺が少し憂いを帯びた顔をすると、Aは簡単にそれを信用し金を出した。
その陰で俺は他の女とも関係を持った。
何も知らず幸せそうな顔をするAに罪悪感など感じなかった。
『すべては金のため』
それだけ。
Aとの婚約で俺はこの地位を確固たるものにし、いずれはAグループをも……
万事俺の思うがままに
流れるように進んでいた
Aが事故に遭う前までは。
事故後、意識を取り戻したAは全て忘れてしまっていた。
俺のことも、自分が裕福な家庭に生まれたことさえも。
愛するものへの眼差しから他人を見るかのような視線に変わったAに焦った。
その上、病室でAが口にしたのは『潤』のこと。
それまで潤が裏でAとコンタクトを取っていたのは何となく気づいていたが、だからといって俺とAの関係が変わることもなかったから、気にも留めていなかった。
でも、記憶を失ったというAの口からやつの名が出たことで、二人の関係を疑い始めた。
潤とは仕事関係で出会った。
彼も裕福な家で育ったらしく、高校の時から留学したりと相当な英才教育を受けてきたらしい。
ただ俺と話もあったし、独立の話も親身に相談に乗ってくれたから斜に構えることなく付き合ってきたのだが
もし裏で潤とAが深い関係であるとしたら……
潤の存在が脅威になる
記憶がないというなら潤とのことも忘れたまま、俺が紛れもなく恋人なのだとAの記憶に上書きしていけばいい
幸いすでに俺がAの婚約者であることは周知のこと
実際記憶喪失のAも俺の『甘い蜜』に寄ってきた。
俺の計画はそんな簡単に崩れやしない
……はずだった。
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ゆいねごと(プロフ) - sky57421970さん» コメントありがとうございます！読んで下さってる方の感想をきく機会がなかなかありませんので、とても嬉しいです。更新スピードは遅くて心苦しいですが、より楽しんで頂けるよう頑張ります！ (2019年2月23日 22時) (
レス) id: 2da354f69e (このIDを非表示/違反報告)
sky57421970(プロフ) - 初めまして。更新されるのを楽しみに待ってます。物語の展開が色々と変わるのでわくわくしながら読ませていただいています。これからも応援しています。 (2019年2月23日 6時) (レス) id: 19356e08eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やわらかなあたま | 作成日時：2018年9月14日 11時
