120 冷たい態度 ページ29
翌日
実家から一旦家に帰り、教科書をとって学校へ向かった。
昨日は結局よく眠れなかったが
実家から車で送ってもらったため、朝のラッシュアワーのストレスがなく、体はそんなには怠くない。
とはいえ学校に着いたのはやはりいつもより遅い時間
教室に入るともうクラスメイトは殆ど揃っていて
相葉君も友達の輪の中で雑談していた。
「おはよう。」とクラスメイトに声をかけながら歩いていって
相葉君のいる輪に同じようにあいさつをすると
相葉君は
「おはようっ、Aっち!!」
ととびきり元気な声と笑顔で返してくれた。
相葉君の隣にいた友達が
「なんだ、その『Aっち』って(笑)。」
と、相葉君をからかうと
「Aっちは、Aっちだよ!!」
と相葉君はそのまま突き通すので
それが更に友達の笑いを誘った。
だけど
私にとってその『Aっち』と呼び方が
まだよく知り得ない時に相葉君が使ってた呼び方だったから
妙な隔たりを感じてしまった。
元はといえば私が傷付けてしまったのに
そんなふうに相葉君の態度に動揺して落ち込んでしまっている自分も嫌になる
ちゃんと謝らなくては
そう思っているのに
まるで意図的に避けているかのように
相葉君は私に話し掛ける隙をくれなかった。
休み時間もお昼休みも……。
気のせいなんかじゃない
目も合わせてくれない。
いつも笑顔で優しい相葉君の冷たい態度がとてもショックで。
気持ちはまるで深い谷底に突き落とされたようだった。
それでも
何とか気持ちを奮い立たせて
放課後、早々教室を出て行く相葉君を必死に追いかけた。
「相葉君！」
私の声に振り返る相葉君に
「話があるんだけど……いいかな？」
と言うと相葉君は少し困った顔をして
「バイトがあるから……ごめん。」
と私の顔も見ずにすぐにその場から去ろうと歩き出した。
──このままじゃずっと後悔する──
そう思った私は咄嗟に追いかけて相葉君の腕を掴んだ。
私を見てハッとした相葉君。
「少しだけ。ちょっとだけでいいから。」
私は懇願した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 262人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆいねごと(プロフ) - sky57421970さん» コメントありがとうございます！読んで下さってる方の感想をきく機会がなかなかありませんので、とても嬉しいです。更新スピードは遅くて心苦しいですが、より楽しんで頂けるよう頑張ります！ (2019年2月23日 22時) (
レス) id: 2da354f69e (このIDを非表示/違反報告)
sky57421970(プロフ) - 初めまして。更新されるのを楽しみに待ってます。物語の展開が色々と変わるのでわくわくしながら読ませていただいています。これからも応援しています。 (2019年2月23日 6時) (レス) id: 19356e08eb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：やわらかなあたま | 作成日時：2018年9月14日 11時
