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39 ソウゾウノセカイ ページ39
音のなくなった世界
白黒の世界
私は立ち尽くす
何を信じればいいのか
誰を信じればいいのか
確かにこの目で見たはずの
さっきの光景さえ
私の勝手な想像だったのかと思えてくる
そうか
これは私の想像の世界なんだ
だから私はこんなにも都合よく
お金持ちで
キラキラなアイドルの近くにいるんだね。
うん、そうなんだ。
＊
でもなぜだろう？
こんなにも痛いのは
こんなにも寒いのは
私の想像の世界なら
思い通りになるでしょう？
それなのに
虚しい気持ちなるのはどうして？
つらいのはなぜなんだろう
＊
もう何も考えたくない
何も見たくない
思考を停止させて
歩き出す
浮かれている街を
流れに逆らって。
肩と肩がぶつかる
チッと舌打ちが聞こえる
振り返らずに歩き続ける
また肩と肩がぶつかって
肩を掴まれた
━━痛い━━
ヤッパリソウゾウノセカイデモイタインダ
「あー痛いんですけどぉ？どうしてくれんのぉ？」
チャラチャラしたお兄さんに絡まれる
「あーキミかわいいねぇ？
ちょっとつきあってよ。」
腕を掴まれて
そのまま路地裏へつれて行かれた。
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作者名：やわらかなあたま | 作成日時：2017年8月29日 16時
