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38 ぐちゃぐちゃ ページ38
━━はぁはぁはぁ━━
どのくらい走ったんだろう
繁華街の大きな通りに出る一歩前で立ち止まる
髪もぐちゃぐちゃで顔もぐちゃぐちゃな女が
このクリスマスな雰囲気満載な街を歩いていたら
周りは相当びっくりするだろう
なんて冷静に考えてしまう。
息が整ってきて
ふぅと一息吐き出した
周りの音や声は弾んでいて
幸せそうな雰囲気だから
逆に私だけ取り残された気持ちになる
━━そう、ここは元々私のいる場所ではないのだから━━
諦めて歩きだそうとした私の耳に
不意に届いた女性の声。
「━━マスもぉ、１ヶ月後の翔の誕生日もぉ、一緒にいたいなぁ。」
その甘い声の方を見ると
男性の腕にまとわりついて仲良さそうに寄り添い歩く
男女
男性の方は……
━━！ ！ ！━━
「ねぇ、『コンヤクシャ』大丈夫なの？」
「あ？それはただの『お付き合い』だから問題ねーし。」
「きゃはは。翔って悪いオトコぉ(笑)。」
目の前を通り過ぎてく。
私になんて気づかずに。
━━翔さん━━
━━私とのことは『嘘』だったんですか？━━
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作者名：やわらかなあたま | 作成日時：2017年8月29日 16時
