本当の恋人～ars parallel world～ (ページ3)

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「で、お前の名前は？」

「AAです。」

「ん。年は？生年月日は？」

その後、一問一答していって

「仕事は？」

と聞かれ

あれ？私……何してたんだっけ？と

記憶がないことに気付く。

「あ……普通に会社員していたような……
よく覚えていません。」

「ふ～ん。じゃあ、お前の“婚約者”の名前は？」

「え?!私に婚約者なんて……恋人だっていないのに……。」

「俺の名前は知ってるのに、恋人の名前は忘れたのか……。
それじゃ、俺のコトどれだけ知ってるの？」

「知ってるも何も、二宮さんは凄い人気ありますし、芸能界でも指折りのトップアイドルじゃないですか……。」

そこまで呟いたら

「はっはっ！何？俺がアイドルっ?!」

急に二宮さんは腹を抱えて笑いだした。

「はぁ～、おかし。お前やっぱ頭の打ち所が悪かったみたいだな。
担当医に言ってくるわ。」

と出入口に向かい歩きだしたかと思ったら、急に振り返って

「……で。俺はお前の幼なじみ。
事故前のお前は、お嬢様大学を出てから
“家事手伝い”っていう名の親のすねかじりをしてて、『櫻井翔』っていう婚約者がいたんだけどなっ！」

と吐き捨てるように言って病室を出て行った。