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「あぁ…よく知っている。お前と何年付き合っとると思ってんねん。
でも…それでもお前と俺は一緒にこの活動をしていきたいんだ。」
悲しそうな瞳の奥に確固たる信念を燃やす瞳。
あぁ…僕はずっとこの瞳が疎ましくそして………
羨ましいと思っていた。
「…。」
「…。」
無言で見つめ合う2人の男。
(これがクソ美人で巨乳な女性だったらどれだけ素晴らしい事か…!)
長い時間そうしていたように思える。
そして…先に根をあげるのはいつだって僕の方だった。
「……っ!…わかった!わかったからそんな眼で見ないでくれ…!」
「本当かっ!じゃあ…!!!」
「ただしっ!!!!」
ウキウキ顔の幼馴染の目の前に人差し指を突き出す。
「条件がある。君ばかり旨味があるのは癪だ。」
「…いいだろう。条件は?」
ウキウキ顔から邪悪ないつもの顔に戻った幼馴染を横目に
僕は先ほど立った席にもう一度座り直し、一呼吸してから
話し出す。
「条件は2つだ。
まず1点目。動画で肉声では参加はしない。
それに伴い、2点目。きっとマルチプレイだから音声チャットしながらプレイすると思うが、僕はマイクミュート設定でのROM専参加にさせてくれ。ほぼ初対面の彼らと会話できる自信がないし、必要とあればチャットで会話対応をするから。
上述の2つの条件を飲んでくれるなら参加するよ。」
「そんなんでいいのか!!問題ないゾッ!!!」
「えっ?」
「あん?」
「いや…お前のことだから何かごねだすかと思ったが……」
やけに素直な幼馴染に肩透かしを食らった気分だ。
そんな僕の心情を知ってか知らずか、穏やかな顔で彼は
「ずっと焦がれていた相手が振り向いてくれたんだ。
これくらいの条件なんてことはない。可能な限り実現しよう。」
なんてくさいセリフを吐き出し、カフェオレを口に含む。
「ともあれ、これからどうぞよろしく頼むぞ?"A"?」
最近ではめっきり呼ばれなくなった僕のハンドルネームを嬉しそうに口に出す幼馴染。
「あぁ、こちらこそよろしくな?"グルッペン"。」
その言葉にさらに嬉しそうにする幼馴染の顔を見て
気恥ずかしさにコーヒーを口に運ぼうとしたが中身は空っぽ。
もう少し味わえばよかったな。
もしかしたらこのコーヒーが僕の実況活動への
始まりのコーヒーになるかもしれないのに。と
ぼんやり今後のことを思った。
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俺 - 最終更新が2019年…。もしや、今見てるこれが夢だったのか…。(という夢を見たのさ) (10月31日 19時) (レス) @page26 id: 93217855e3 (このIDを非表示/違反報告)
香夢 - 夢主、強ぇぇぇ…………………。 はぇーーー 今後も期待しとります (2019年4月29日 23時) (レス) id: 15257e3fa4 (このIDを非表示/違反報告)
イ凛(プロフ) - 好きです!(この小説が)今後、楽しみに待っています! (2019年3月4日 5時) (レス) id: 846b2d79aa (このIDを非表示/違反報告)
いちご大福(プロフ) - 今後の展開が楽しみです…、続き楽しみに待ってます! (2019年1月23日 15時) (レス) id: 758179bc3a (このIDを非表示/違反報告)
midori123(プロフ) - 虚兎さん» 告白されてしまいました…照れます…。本当に嬉しいお言葉ありがとうございます!スローペースですが更新頑張っていきたいです! (2019年1月9日 18時) (レス) id: da7d1bc408 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:midori123 | 作成日時:2018年11月12日 12時