54 ページ6
コナンくんたちと一旦別れた現在。
わたしたちは7号車の部屋でくつろいでいる。
最初園子ちゃんに連れられたのは、予約してくれていた8号車だったのだが――
・・・
「えーっと? おめでとう!貴方は共犯者に選ばれました。…これって」
扉のノックを聞いて蘭ちゃんが開けると、外には誰もおらず手紙が一枚落ちていた。封を開けるとそんなくだりから始まる文章。
例の推理クイズってこれのことかな。急に始まるんやなあ。
内容はこうだ。
7号車のB室で被害者役のお客様が待機している。その方と入れ替わって、部屋に来る探偵たちを惑わせてこの推理クイズを盛り上げてほしい、という旨が記載されていた。
「へえ、なんか面白そうね。よしっ蘭、秋乃さん、行きましょ!」
そうして被害者役の男性と部屋を交換しに行くと、
偶然通りかかった真純ちゃんにどうしたのかと聞かれ、先ほどの手紙を読んでもらうと一瞬で趣旨を理解してくれた。せっかくなのでみんなで一緒に待機することに。
その間に園子ちゃんが手慣れた様子で車掌さんに紅茶を頼み、ほどなく部屋まで運ばれてきた。
テーブルにカップを並べると、部屋の中にベルガモットの華やかな香りが広がる。
アールグレイのようだ。
いただきます、とみんなで一口飲んで、ふう、と一息つく。
ああ落ち着く。この瞬間がすごく好きだ。
おいしいし、幸せやなあ。
「――そういえば、秋乃さん。
紅茶って、自分で淹れてもお店で出てくるような味にならなくて。どうやったら上手くできるんですか?」
そんな蘭ちゃんの疑問に、うーん、と少し考える。
「お店で飲むと雰囲気もあるし、お家よりおいしく感じるってのはあるかも。
でもそんな難しくないんよ?葉っぱの量と時間を守れば誰でもおいしく淹れられるからね」
あと沸かしたてのお湯!と指を立てる。
「そうや、よかったら今度うち来る?
お茶会せーへん?」
ついでに一緒に淹れようよ、と提案する。
飲んでみたいって言ってくれてたしちょうどいいんちゃうかな。
「ええ、いいんですか!?ぜひお邪魔させてほしいです!」
「秋乃さん直伝の紅茶教室!楽しみー!」
あれ、教室っていうかお茶会のつもりなんだけど、まあいっか。
「それってボクも行っていい?」
なんと真純ちゃんまで乗ってくれるとは。嬉しい限りだ。
「もちろん!みんなでお茶とお菓子食べよっ」
そうしてわいわい盛り上がっていると、
ガチャリ、と突然ドアが開く音がした。
98人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
枝豆(プロフ) - ゆあななさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけると励みになります、頑張りますね! (2018年5月24日 12時) (レス) id: 12c730cb67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあなな(プロフ) - いやもうほんと、すごく面白いです!!頑張ってください!! (2018年5月23日 22時) (レス) id: 6443c029d8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:枝豆 | 作成日時:2018年5月15日 12時