47.守りたい気持ち ページ48
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はぁっとおば様がため息をつく。
ゆーくんは相変わらず怯えたままだ。
でも当たり前なのかもしれない。
ゆーくんはこの母親に殴られてきたんだ。
掃除ができなかっただけで、ご飯をこぼしただけで。
わざとじゃない。
気をつければいいのよ。そう言ってあげれば十分のはずだ。
いくらなんでもあそこまで残る傷をつけていい理由にはならない。
おかしいのだ。
おば様「悠馬は本当に馬鹿ね！」
おば様がずんずんとこっちに向かって来る。
悠馬「っ！！」
おば様が手を振り上げる。
殴るつもりだっ！
咄嗟に私はおば様の前に出る。
おば様「…？なんのつもり？」
キッと睨む。
そんなのおば様の怒りのゲージを上げるだけだとしても。
そうせずにはいられなかった。
『ゆーくんに手出しなんてさせないっ！』
悠馬「！！」
後ろにいるゆーくんが顔をあげるのがわかる。
見ていなくても何故かわかった。
おば様「あんた…調子乗っているんじゃないわよ！」
悠馬「ひっ」
バシッ
音が鳴る。
自分が殴られたのだとすぐには理解できなかった。
『っ！』
私は倒れて床に転がった。
悠馬「Aっ！」
状況が判断できなくてその場で痛さに震えているとおば様はゆーくんの目の前にいた。
悠馬「…あっい、いやだ…」
おば様「悪い子ね、悠馬。あなたAちゃんを盾にして」
悠馬「そ、そんな…つもりじゃ…」
(違う。
勝手なことを言うな。)
おば様「可哀想に、Aちゃんたら。女の子にこんな傷を負わせるなんて…」
ゆーくんが私を盾にしたんじゃない。
悠馬「あ…僕が、悪い…？」
(違うよゆーくん。)
おば様「そうよ」
(私がゆーくんを守りたくて盾になったの。)
おば様「そんな悪い子には教育してあげなくちゃ！」
おば様は近くにある椅子をつかんで振り上げる。
ゆーくんが頭を腕で庇う。
『だめっっ！！！』
咄嗟にゆーくんを押していた。
私の頭に椅子が当たる。
『っっ！！！』
鈍い痛みが走った。
悠馬「…A？…A！！」
おば様「…」
おば様は外へ行ってしまった。
『…っ』
悠馬「ご、ごめ…A…ぼ、僕のせいで」
違う。
そんなんじゃない。
『…ゆ、くん、けが…ない？』
悠馬「え…？」
『なか、ないでよ。ゆーくん』
悠馬「で、でも…血が…」
確かに私の頭からは血が出ていた。
頭が熱い。
少し痛い。
ラッキーイナイレシリーズキャラ
壁山塀吾郎
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作者名：青井 x他1人 | 作成日時：2020年2月10日 0時
