46.怒声 ページ47
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いざ最終決戦、って訳じゃないけど家に着いた。
家の玄関にランドセルを置いてテストが入っているファイルを取り出すとすぐに家を出た。
『おまたせ』
悠馬「待ってないよ？1分もかかってないでしょ」
『…そうだね』
ゆーくんには家の前で待っててと言ったので家を出てすぐ目の前にいた。
悠馬「じゃあ鍵開けるね」
『うん』
ガチャリと音がして扉を開ける。
いつものゆーくんの家と見た目は変わらないのに確かに何かが違って見えた。
(暗い…？)
電気はついている。
匂いもそのままゆーくんの匂いだ。
(なんだろう。)
何かが違っている。
悠馬「入って」
『お、お邪魔します！』
リビングのドアを開けるとおば様はリビングの椅子に座っていた。
『お邪魔します、おば様！ひ、久しぶりですね！』
おば様は見るからにやつれていた。
目元には隈があり前より痩せていて唇もカサカサになっている。
それでもおば様は私を見ると少し表情筋をあげた。
野坂「いらっしゃい…Aちゃん。」
こんなに弱ったおば様がゆーくんを殴ったなんて考えられない。
でも事実なんだ、と胸が苦しくなる。
ゆーくんはおば様に少し怯えて私の後ろにいた。
『あの、今日…テストが返されて…』
悠馬「お母さんに見て、貰いたいんだ」
おば様「…そうなのね」
ゆーくんと私はおば様にテストを差し出す。
大丈夫、この点数ならおば様だってきっと…
おば様「…！」
きっと…
ばんっっっ
予想していなかった大きな音がした。
おば様「悠馬！！」
おば様がテーブルを叩いた音だった。
おば様「どうして全部100点じゃないの？！」
それは予想していなかった言葉だった。
おば様「小学校低学年の問題が全部100点じゃないなんておかしいでしょう？！」
おば様は椅子から立った。
その様子にゆーくんは怯えてその場にしゃがんで頭を庇った。
『ゆーくんっ！』
ゆーくんは私の後ろにいるからおば様からゆーくんはあんまり見えていないのだが間にいる私を透かすように睨んでいた。
『で、でも…ゆーくんはほとんど100点で…(おば様「Aちゃんは凄いわね！さすがだわ」えっ…』
おば様「悠馬、あなたはどうしてAちゃんみたいになれないの？」
悠馬「…っっ！」
『ち、違うっ私みたくならなくていい、ゆーくんはゆーくんです！今出来なくてもゆーくんのペースで…(おば様「Aちゃんは黙って」っ！』
ラッキーイナイレシリーズキャラ
壁山塀吾郎
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作者名：青井 x他1人 | 作成日時：2020年2月10日 0時
