37.慰め ページ38
.
『そうだよね、おば様も楽しみにしてたのに』
悠馬「うん…それでさ、明日は家では遊べなくなった。…ごめんね」
『え！あ、いや、気にしてないよ！大丈夫！』
悠馬「明日は……公園行こ？」
『う、うん！ゆーくんもあんまり気を落とさないで...』
悠馬「…うん、ありがとうA」
『うん、それじゃ…おやすみなさい、ゆーくん』
悠馬「おやすみ」
がちゃんっと受話器を置くと一息つく。
おば様も心配だけどゆーくんが心配だ。
(無理してるんだろうな…)
その日はよく眠れなかった。
少し寝不足でも朝は必ずやってくるもので…
約束していた時間に公園にいくとゆーくんの姿は見えなかった。
いつもの公園の秘密基地を覗くとゆーくんは体育座りでそこにいた
『ゆーくんみっけ』
悠馬「A…」
『おはよう、ゆーくん』
悠馬「おはよう…」
『大丈夫？…なんて聞かないからね。大丈夫じゃないなんて見ればわかるし』
悠馬「う、ん…」
体育座りのゆーくんを何も言わずに前から包み込むように抱きしめた。
悠馬「…！」
『ゆーくん。ゆーくんには私がいるよ』
悠馬「…う、うあぁぁっ」
『わ、私じゃ頼りないなんて言わないでよね…』
優しく抱きしめながら頭を撫でるとゆーくんは小さな声で泣いた。
『大丈夫…大丈夫だよ』
悠馬「うん、…うんっｸﾞｽｯ」
肩を震わせて泣くゆーくんが見ていられなくなって目を閉じた。
10分くらい立つ頃にはゆーくんの涙は止まっていた。
『はい、ゆーくん』
カバンから家から持ってきたりんごジュースと、ティッシュを取り出すとゆーくんに差し出した。
ゆーくんは戸惑っていたが受け取ってくれた。
涙と鼻水を拭いたゆーくんはお礼を言って笑ってくれた。
悠馬「A…あのさ」
『…？どうしたのゆーくん』
悠馬「あのね、…今日お母さんがまだ寝込んでて…ご飯、食べてなくて…」
タイミングが良いのか悪いのかゆーくんのお腹が鳴った。
『お腹空いてるのね…それなら早く言ってくれればいいのに！今日パウンドケーキ焼いてきたの。出来たてだよ！』
悠馬「！！」
『3種類作ったの。シンプルのと、ドライフルーツとクルミ。1種類につき4つずつ食べようね！これでお腹いっぱいになるんじゃないかな』
悠馬「美味しそうだね。食べたいな」
『はい、ゆーくんの分ね』
悠馬「ありがとう、…うん、美味しいよこれ」
『ホント？』
ラッキーイナイレシリーズキャラ
壁山塀吾郎
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 38人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：青井 x他1人 | 作成日時：2020年2月10日 0時
