仕事~54 ページ6
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信濃「お祝いといえばさ、Aの誕生日っていつなの？」
信濃の言葉に、乱たちがはっとしてお互いに顔を合わせる。
人には誰しも誕生した日というものがあり、それを毎年祝う風習もある。
もちろん彼らも誕生日そのものの存在は知っていた。だが。
乱「い、いつなんだろう…」
蛍丸「聞いたことある人、いる？」
ゆるゆると、全員そろって首を横に振った。
厚が嘆息して口をへの字に曲げる。
厚「俺ら、Aのこと全然知らないんだな…」
蛍「Aは、俺たちのことよく知ってくれてるのに…」
燭台切は苦笑して、そっと肩を落とした。
かなわないなぁと思う。
自分たちが彼女にしてあげられることは片手の指で足りてしまう程度なのに、彼女が自分たちにしてくれることはそれ以上で、不甲斐なさに情けなくなる。
乱「Aに聞こう！聞いて、お誕生会しよ！」
厚「またこっそり企画しようぜ！」
頷いた燭台切は、はたと顔を上げる。
以前彼女の両親はいないと聞いた。では、いつからいないのだろうか。
もしずっと前からいなかったのなら、そもそも彼女は誕生日を祝ってもらったことがないのかもしれない。
その話をしてみたところ、皆険しい顔をして唸った。
薬研「親みたいな奴はいた、ってAは言ってたが」
鯰尾「その人がAをちゃんと大事に面倒見てたとは限りませんもんね」
燭台切「うん…本格的に考えておかないとだよね」
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一方その頃、異界にて。
上司「…なんか今誰かに、ものすごーく悪口言われてる気がするんだけど」
同僚「出た、自意識過剰」
上司「過剰で何が悪いの！」
同僚「はぁ…で、ボスは仕事そっちのけで何やってるんですか」
手元を覗くと、上司はAの写真を片手に何かの雑誌をめくっている。
同僚「…いよいよ変態に転職するんですね」←
上司「失礼ね！愛しの部下にぴったりな仕事着を探してるの！」
同僚「仕事着？巫女装束のままで問題ないでしょう」
開かれたページには様々な色の
上司「んー、巫女服もメタメタにかわいいし、どちゃくそ好みなんだけど別の何かも着せたいなって」
同僚「言っときますけどそれマイフレンドに着せたらただの美童になりますよ」
上司「あっ、いいかも…ありよりのありだわ」←
同僚「…もう手遅れだこいつ」
上司「ほんっと失礼ね！！」
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作者名：葛の葉 | 作成日時：2019年9月15日 1時
