死神様のお仕事１１【刀剣乱舞】 (ページ32)

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仕事~222 ページ32

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寝殿にあがって身を清めた中宮は、御帳(みちょう)にこもってうつむいていた。

帳を下ろしているので、女房たちが覗いてくることはない。だが、神隠しという恐ろしい現象に見舞われた彼女を気遣い、常に誰かが様子を窺っているのが感じられた。

女房「……中宮、恐ろしい思いをされましたか」

恐る恐る尋ねてくる女房に、彼女は思いのほかはっきりとした声音で答えた。

中宮「いいえ。……よく、覚えていないの。ごめんなさい」

女房「いえ、それならようございます。今夜はよくお休みくださいませ」

中宮「ええ」

女房「それと、帝と左大臣様が案じられて、この物忌(ものいみ)が明けたらすぐに内裏にあがったほうが良いであろうとの仰せですので、そのようにお心積もりを」

中宮は、ぐっと目を閉じた。

中宮「……わかり、ました」

祈るように両手を合わせて、彼女は衣の上からお守り袋を握り締めた。

────すまない……だが、そうするしか、ない…

感情を押し殺しながら、彼はそう言った。すまないと、何度も何度も頭を下げた。

中宮「………っ」

《＿＿＿＿＿Aさん……》

いたわるような“声”に一度頭を振って、Aは小さく、本当に小さく、喉の奥から声を絞り出した。

『………鶴丸、皆……頼んだぞ…』

中宮に扮(ふん)して土御門殿へ入ったAは、本丸に残した彼らに思いを馳せた。

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