米花町の視える子。【名探偵コナン×呪術廻戦】

３. ページ5

「Aちゃんって、前はどこの学校にいたの？」

『寺子屋』

「え？」

『杯戸小学校』

「杯戸かぁ！なら帝丹小学校とも近いね！」


授業の間も気配を消しじっと耐え、ようやく給食の時間。机を寄せ食べていると少年探偵団筆頭にクラスメイトから声をかけられる。

会話を弾ませる皆を他所に、あくまで"普通の小学生"を演じようと瀬川は苦戦していたのだ



「Aちゃんって何が好きー？普段何して遊んでるの？」

「好きなテレビは？」

「仮面ヤイバー見てる？」


『……うん』



どうしよう、分からない。昔の流行すら知らなかったのに、現代の子どもの流行りなんてもっと知らない。テレビは最近見始めたばかりだし…仮面ヤイバーとは何だ。


適当に答えてもボロは出る。何か話を逸らそうとしても話題が出てこない。完全にお手上げ状態である。



「……貴方、」


そんな時、灰原が助け舟を出す



「…食べ方綺麗ね。箸の持ち方も所作も。どこかで習ってたの？」

『え……あぁこれは、躾られたの。家が厳しかったから』

「ふーん」


やっと答えられる質問がきた。ほっとするのもつかの間、今度はコナンという少年に話しかけられる


「ねぇ、どうして転校したの？親の都合とか？」

『まぁそんな所かな……転勤族ってやつ』


でもこれは、瀬川にとっても都合が良い。万が一自分の正体がバレてもまたどこかへ引っ越せるから。変に交友関係を広げないまま、静かにいなくなる方が私にはお似合いだと思っていたのだ



……もう二度と、あんな思いをしたくない。

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