米花町の視える子。【名探偵コナン×呪術廻戦】

２０. ページ22

「Aちゃん！おまたせ！！」



荷物を抱えて歩美と灰原が戻ってきた頃には……当然、乙骨も伊地知も姿を消していた

掃除をしていた体を装うため箒を持ち、何事も無かったかのように2人を出迎える。



『おかえり、お目当ての物は買えた？』

「うん！……あれ、Aちゃんほっぺたから血が出てるよ！？」

『…え、えーっと……兎に引っ掻かれちゃって……』


今、思いついた嘘である。偶然消毒液と絆創膏を持っていた灰原に手当てを頼む。



「…どう引っ掻かれたらこんな傷になるのよ。気を付けなさいよね」

『はい。すみません』


軽く説教を食らっている間、歩美がウサギ小屋を覗いてみると……元気よく飛び回る兎達の姿があった


「あーっ！うさぎさん元気になってる！」

「貴方が看病してくれたの？」

『い、いや看病って言う程の……』



恐らくは、根源を祓ったからであろう。歩美達が買ってきたおやつも美味しそうに食べている。食欲も充分にあるようで、これなら心配はいらないと感じた



「ありがとうAちゃん！Aちゃんが治してくれたんだよね！」

『え、いやだから私は…』

「何もしてないわけ無いもん！Aちゃんがお世話してくれたから、元気になったんだよ！」


嬉しそうに笑う歩美に、つい気が抜けてしまう。こんなに喜んでくれているのだから、そういう事にしておこうか。

体調の良くなった兎を抱いて撫でる歩美。その様子を微笑ましく眺めていると……こっそり灰原が近づいてきた



「……ありがと」

『え？』

「私からもお礼を言うわ、瀬川さん。それと…ごめんなさい。貴方に素っ気ない態度をしていたかもしれないわ

最近嫌な感じがしてたから……怯えてたの」


初めて名前を呼ばれた。特に灰原には避けられているようなイメージがあったから、少しは仲良くなれたのでは無いか


『(…いや、いやいやいや。何気を許してんだ私は。どうせすぐに転校するんだし…)』




勢いよく首を振り誤魔化す瀬川



………でも、出来ることなら。


皆ともう少しだけ、一緒にいたいと思う。





ー・ー・ー

今更ですが、今回の夢主のモデルはその小学生、呪術師ゆえに出てくる主人公です。名前や術式、軽い設定等は同じですがそれ以外は違う展開になってくるので、パラレルワールドの瀬川さんだと捉えてください

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