米花町の視える子。【名探偵コナン×呪術廻戦】

２１.ミステリートレイン ページ23

──その数日後、米花町に引っ越してきて初めての遠出


「わぁーすっごーい！歩美、蒸気機関車って初めて見るー！」

「オレも〜！」

「大迫力です！」


瀬川は少年探偵団そして阿笠博士に連れられ、ミステリートレインへ乗車しに来たのである。蒸気機関車を前に興奮気味の子ども達の横で、何故か灰原はマスクをしていた。多少咳き込んでいる



『…灰原さん風邪？休んでた方がいいんじゃない？』

「えぇ。誰かさんの病原菌がしつこくって」

「だったら家で寝てろよ。っつーか瀬川、おめぇも隈凄いな。寝不足か？」

『………まぁ、そんなとこ』


本当なら前日のキャンプも同行する予定だった。けれどこの間無茶をし過ぎたせいか、疲労感が尋常ではなく断念したのだ。

この身体、きっと呪力に慣れていないのだろう。術式を使った後は必ずこうなる。あれだけ休んだのにそれでも回復しきっていない。


『(まぁ…そのキャンプも一悶着あったみたいだし)』


知らないうちに友人達が山小屋で焼死するところだった。米花町の治安が悪過ぎるのかこの子達の運が無いのか……とにかく事件に巻き込まれ過ぎである。これからは近くで見張っておこうと固く誓ったらしい


「ガキンチョ共！ベルツリー急行のオーナーである鈴木財閥に感謝しなさいよ！特別に席を取ってあげたんだから！」


鈴木財閥のお嬢様、鈴木園子。そして友人の毛利蘭が現れる。瀬川とは初対面だったからか、蘭は興味深そうに瀬川を見つめる



「初めましてだよね？私は毛利蘭です！こっちは友達の園子！皆からお話聞いてるよ！Aちゃんよろしくね」

『……初めまして、瀬川Aです。宜しくお願いします』

「あら！挨拶も出来てお利口さんだね！コナンくんってば、学校のこと本当に話してくれないんだから」

「あはは…」


なんだろう。同い歳くらいなのに歳下。変な感じがする。特に毛利蘭という子は随分世話焼きな性格で、少しむず痒い気がした。



「そういえば一号車だよね？来月、怪盗キッドが狙うって予告したの…」

「そうなのよー！次郎吉おじ様が来月、特別に走らせてなんとかって宝石を一等車に展示するって発表したら…！キッド様のってきちゃってさー！」

『キッド…？』

「月下の奇術師って言われてる怪盗さん！とってもかっこいいんだよー！」

『へー…』


歩美から説明を受けるもピンと来ない。探偵が財閥がいて怪盗もいて……この街忙しいな、と心の中でツッコミを入れた瀬川であった

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